私立アメコミ高校

アメコミに関する様々な授業をしていきます

【テスト㉚-B】ザ・バットマン大復習!!

こんにちは!ワキリントです。さて皆さん、先週出したクイズは考えていただけましたでしょうか?そもそも問題覚えてます?「ワキリントが2月中、授業をしなかった理由ってなーんだ?」です。……まぁ、どうでもいいかぁ。

 

正解は「去年から通いだした役者の養成学校で行われる一年目の修了公演に全力を注いでいた」でした!……まぁ、どうでもいいわなぁ。

 

とにもかくにも、アメコミ映画好きがとうとう「観る側」から「出る側」への狂った一歩を踏み出し始めました!言われてみれば去年からなーんか説教臭いといいますか、小うるさい復習になることが多かったですよね。曲がりなりにもそういう目が育ってるんだわ。堪忍な。

 

ゆくゆくは皆さんの目にも止まるくらいの作品に出て、絶賛だろうが酷評だろうが、真っ当な評価を頂けるくらいの役者になるのが目標です。清濁併せ呑む気概でデカくならなきゃァねェ。

 

そんなこんなでザ・バットマンの復習と参りましょう!「出る側」になるからって日和ったりしないぜ!レッツゴー!!

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★あらすじとキャラクター★

舞台はゴッサムシティ。この街に蔓延るありとあらゆる犯罪を、たった一人で撲滅しようと活動しているのがバットマンさんことブルース・ウェインさんです。社会貢献や社交界への顔出しなど、街の名士の一族としての責務なんかはそっちのけ。

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数少ないブルース・ウェインとしての外出シーン。

 

ただひたすらに犯罪へ病的なまでの執着を向けるブルースさん。執事のルフレッドさんも困り果てている様子。

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そんな中、街の有力者がリドラーと名乗るなぞなぞ好きから次々と異様な方法で殺害される事件が発生。

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ゴッサム市警のゴードンさんと共にリドラーの出す「なぞなぞ」に取り組んでいくうちに、この街の秩序(ゴッサムシティに元から秩序なんかないやん、なんていうツッコミは野暮)を根幹から揺るがす事実を知ることになるのです…!

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というのが今作のあらすじ!本筋に絡めて紹介しきれなかったですが、バットマンさんと不思議な縁で通じあっていくキャットウーマンやマフィアのボスのファルコーネ君、そしてその右腕のペンギン君など、コミックスでもお馴染みの不良達も登場!バットマンシリーズって不良を出し惜しみしないから凄いよね〜。

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キャットウーマン君との奇妙な関係性もまたバットマンシリーズの醍醐味です。

 

★見どころ★

今作の特色はなんといってもその異様なまでの「陰気さ」

 

バットマンさんとして淡々と、しかし確かな激情を秘めて捜査を進めていく時間がスクリーンの大半を占め、シリーズ過去作に見られていたようなブルースさんとしての煌びやかな振る舞いなどは皆無です。

 

ゴッサムシティのややレトロで退廃的な佇まいや、全編通して打ちつける雨、グロ映像をR指定の目から隠し通せるくらいのフィルター(?)も相まって、娯楽作品とはとてもじゃないけど言えないレベルの翳りがスクリーンを支配しています。

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そのおかげといいますか、これまでで一番と言ってもいいくらい「やっ、ば……」なバットマンさんになっていました!ゾクゾクしちゃった!

 

バットマンさんと犯罪者は言わずもがな「追跡者」と「逃亡者」の図式になりますが、この双方の視点の切り替えがバチッとハマり、思わず「逃亡者」たちに同情してしまうくらいのヤバさをビシバシ感じました!

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多分最大の被害者。

 

バットマンさんとしての活動を始めてから2年目、というタイミングがそれを実現させているように思います。活動開始に至る動機や信念に迷いもなく、しかしそれでいてどこか陶酔しているともとれるような慣れが生まれてくる時期。この危ういバランス感覚が3時間という長丁場をもたせてくれたような気がします。

 

「陰気さ」にも通ずるところがあるかもしれないもう一つの特色が「真面目さ」

 

よく分かんねぇコスプレした身元不明の人間が事件現場を我が物顔で捜査することや、裕福なはずの資産家が世捨て人として弱き者に何の働きかけもしないことに対して真面目に描いており、新たな風が吹いているな、と感じました。

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ファルコーネ君が思いの外長生きしたり。

 

しかし!その真面目さに一言物申したい!確かに真面目であること、リアルであることはフィクションの世界で近年ことさらに重要視されていますが、それを突き詰めることは必ずしも映画のロマンを犠牲にすることではないんじゃないのでしょうか!

 

ええやん!別に空気力学的にムダなコウモリの羽が付いたってさぁ!マスクに要らんネコ耳付いたってさぁ!目立ちすぎなくらいのグライダーで滑空したってええやんか!それが映画のロマンやん!フィクションがフィクションたる所以やん!

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今の時代にこうするならこうだろう、と真面目に取り組みすぎた結果、ちょっとデザインの面で「もしかせんでもこれってダサくない?」となる瞬間が度々あり、悔やまれるな〜と思う次第でございます。ケレン味って言うんですか?それをもっと効かせられたハズだ……!

 

★結局どう呼ぶのよ★

さて、以上で復習は終了です!今作も踏まえたバットマンシリーズの授業も予定しておりますので、気長にお待ちください!後悔はさせないぜ!

 

ところで予習回でバットマンさんのことを「先生」と呼ぶか、それとも不良扱いの「君」とするのかを迷っておりましたが、今作は自信を持ってバットマンさんが「先生」と呼ばれるに相応しい人間となった映画」であると言えるでしょう。

 

まだまだ粗削りで青かったバットマンさんが、数々の肉体的、精神的試練を乗り越え、打ちのめされながらも尚「善」を選択できる人間になるに至るまでの映画でした。ヒーローやねぇ。

 

暗闇がすぐそこに近づいてるかのような混沌の時代になっていますが、その中で今作はその迸る正義へのエネルギーをもって人々を導ける作品だったと思います!と同時にその狂気で模倣犯を現実に産んでしまうのがこのシリーズの悩ましいところですが……作品でそれを否定しとるんやから悪にすんなや!

 

皆さんもぜひ劇場でご覧になってください!それでは!!黒が映えるやつで観るのがオススメです!

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上を向いて歩コーネ。