私立アメコミ高校

アメコミに関する様々な授業をしていきます

【テスト㉜-B】ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス大復習!!

こんにちは!でけぇ「2」に追いかけられる夢を見たことがあるワキリントです。

 

小学校の時、初めて触れる分数の割り算がどうも理解できず、これまで味わうことのなかった「勉強ができない」感覚に悔しい思いをしたのが影響したのか、その日の夜に見ちゃったんですよね。怖かったなぁ。

 

不思議なことにその日以降軽々と解けるようになったのも合わせて、印象的な体験として記憶に刻まれております。

 

そんなわけで本日は『ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス』の復習回です!ネタバレを防ぎつつ分かりやすく説明しなければなりません!ヒリつくねぇ!レッツゴー!

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★あらすじとキャラクター★

舞台はスパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』以降のニューヨーク。謎の少女と共にヤバそうな怪物から逃げ回る夢に悩まされるドクターストレンジ先生。

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一回デカい2にも追いかけられてみ?

 

今日は未練タラタラの元カノ、クリスティーンさんの結婚式だっつーのになんてこったい!

 

幸せに浸るクリスティーンさんを遠目に見ながら少々おセンチになるのも束の間、何やら街では騒ぎが。そこへ向かうとあら驚き!夢の中の人物だったはずの少女が、ヤバそうな怪物から逃げ回っているではあーりませんか!

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アメリカ・チャベスさんと名乗るその少女は、マルチバースと呼ばれる別次元の宇宙(世界)を行き来する能力を持っているとのこと。怪物はその能力を奪おうとする何者かの手引きによって放たれた刺客のようです。

 

悪の手に渡ってしまってはたまらん…しかしマルチバースは至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)となったウォンさんでも知り得ない未知の領域。困った先生はアベンジャーズ:エンドゲーム』(2019)で共に戦ったヒーロー仲間であり魔術師仲間、ワンダ・マキシモフさんに助言を求めます。

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アドバイザーとは思えない闇堕ちっぷり。

 

世界どころか全次元を救うため、ドクターストレンジ先生の大奮闘が始まります!

 

★見どころ★

続いては見どころ!今作はなんといっても、メガホンをとったサム・ライミ監督の手腕が凄かった!!

 

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)でその悪趣味を全開させていたジェームズ・ガン監督ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)ではそのなりを潜めてしまうほどに、MCUの綿密な計画性やディズニー傘下であることの影響は一本の映画としての旨味、あるいはそれを担当する監督の作家性を殺してしまうものだとばかり思っていましたが…今作は純粋に映画として面白かったです!!

 

これまでになかったホラーテイストをポップに盛り込み、至る所に散りばめられた「サム・ライミ印」!スパイダーマン』シリーズ(2002~07)しか監督の作品を観たことないぼくからすれば、死霊のはらわたも観てみようかな!なんて思えちゃう作家性大爆発の作品でした。

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怖面白いのよね。

 

単独での前作『ドクターストレンジ』(2017)では主に空間を歪めたり、観たこともない世界を観せることに力が注がれていた映像技術は、5年の歳月を経て「次元」のレベルにグレードアップ。その他、魔術のバリエーションを観せることにも一役買っています。

 

この件に関しては特にアベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』(2018)が大きな影響を与えているように思います。初めて観せる魔法のはずなのに、それをすんなり受け入れている。そんなぼくはこの5年ですっかり調教され、狂ってしまったんでしょうね。

 

そういった要素モリモリの作品を苦もなく観れたのも、上手いこと「足し引き」ができていたからではないでしょうか。登場人物や映像技術、音楽etc…この作品を構成するあらゆる要素を上手いこと調整しつつ話を進めていくおかげで、こちらの感覚に効果的に訴えてくるものになっていたように思います。

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そしてぼくが好きだな〜と思うポイントは、思ったよりドクターストレンジ先生の続編だったこと!5年間で登場した先生は人間的に難は抱えているものの、共に戦うヒーローとしては超一流、頼もしさにおいてこれ以上ないという印象だっただけに、今作で描かれた先生の未熟さ…いえ、伸び代にはサムズアップしちゃいました!

 

どうやらコミックオタクであるらしいサム・ライミ監督。ヒーローである前に一人の人間であり、誰にも言えない悩みや秘密を抱え、理想と現実の狭間で葛藤するMARVELヒーロー、その原点に立ち返った描写だなぁと感じます。

 

★腹は決まった★

さて、以上で復習はおしまいです!MCUという狂ったコンテンツの一作品として存在する以上、界隈を賛否両論で賑わせている今作。

 

常々供給過多状態にあるこのシリーズの行く末を危惧しているぼくとしては、存続のために必要な一手だったのでは、と思います。あまりにもその犠牲が辛いものであることは同じですが……

 

今作に必要だった部分の『ワンダヴィジョン』(2021、配信)しかサム・ライミ監督は観てないとのことですし、そうでなくても男女間の価値観のアップデートという点でいうと、近年のMCU作品には相当な遅れを取ってしまっているのが現実です。

 

そしてそれを「面白い」と言ってしまっちゃう自分自身…悔しいですが映画としては気にならんかったです。が!MCUとして相当なモニョモニョはある!そのモニョモニョとなけなしのフェミニズムが絶賛を阻んでいる!

 

以前にもMCUの現状は様々なコミックが店頭に並んでいる状態とほぼ同値であるというお話をしましたが、であれば今作はその後のコミックからリタイアする人も出てくるかもしれない印象があります。どちらの意見も痛いほど分かるからこそ、去る者を引き止めることも無理にできない、そんな作品でした。

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そして誰もいなくなった…とかやめてよね!

 

たまにやりますよね、MCU。こういうふるいにかけるやつ。ただでさえ作品数多いところにこういうのブチ込まれても尚熱が冷めない方もだいぶアレですけど。大きな分かれ道になるというぼくの予想は概ね当たり、そして嫌な予感は静かに大きくなってしまいました。

 

既に困難なハードルを与えられている初心者だけでなく、10年レベルで慣れ親しんできたファンすら「こんなん耐えられん!」となってしまう無慈悲な振る舞い、このまま続くようならだいぶよっぽど映画として面白くないと厳しいです。

 

その名の通り、マッドな作品だった『ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス』。今作で離脱してしまった人がまた何かのキッカケで戻ってくれることを信じて、本校はアメコミ映画を追いかけ続けることをやめません!おれは狂う!人間をやめるぞー!それでは!!

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全世界のぼくがアメコミ映画を愛してるといいな。