音楽の話をする
役者を目指しているが、共演したいのは軒並みお笑い芸人だ。
バラエティ番組で育ったちびっ子だったから、お笑い芸人の面白さだけでなく、凄さも身に染みて感じていた。だから「芸人になる」とはついぞ一回も口に出さなかった。最大限のリスペクトを込めて。
いや、だからといって役者にリスペクトがないわけではない。がしかし、正直こんな道は多少バカにならないと私みたいな人間は始められない。「いけるんちゃうん、なんかやれるんちゃうん」という、根拠の無いところからスタートしないと、今のハードモードジャパニーズアクターロードは歩めない。
話を戻そう。お笑い芸人がテレビで躍動する機会を減らされるようになってから、私もテレビからは距離ができるようになった。
だからこそ、あの日あの時テレビで観ていた芸人さんたちと出会えたら、感動して目頭を熱くさせるかもしれない。めちゃくちゃテンション上がっちゃって「こんなワキリント、見たことない!!」って言われるかもしれない。テンション上がりまくって凄いムチャぶりしちゃうかもしれない。
例えばそう、有吉弘行に「『白い雲のように』唄ってください!!」みたいなことを口走る可能性が非常に高い。カラオケでナンチャンに「他のメンバーのとこ全部やるんで『YATTA!』唄いませんか!?」とかお願いすると思う。それだけのためにナンチャンとカラオケに行ったっていい。ビビアンを台湾から呼ぶのは気が引ける。聴きたいけど。
今まで言う機会がなかったが、私はお笑い芸人が唄う笑い無しの曲が好きで好きで仕方がない。
このタイプの曲の魅力はなんといっても「愚直さ」である。プロが認める歌唱力を持つ玉置浩二氏をもってしても、いや、歌唱力があるからこそ、歌声に愚直さは込められない。表現できてしまうからだ。
歌を本業にしているわけではないお笑い芸人がしっかりCDを出していくとなると、もう一生懸命唄うしかない。テレビの力で名だたるアーティストが力を貸し、様々なプレッシャーがかかる中、お笑い芸人ができる事と言ったら下手でもいいから届けようとして必死に唄うことしかないのである。
そして一部の曲(吉本興業が流行りに便乗して小銭を稼ごうとしたものが多く含まれる)を除いて、お笑い芸人が唄う曲の持つ「愚直さ」は私の心をガッチリ掴んでいる。
それは上手い下手とかは関係なく、単純に私が愚直な人、ガンバっている人を愛してやまないからというのもあるだろうが、歌手とは違うベクトルの苦労をしてきたお笑い芸人だからこそ出せる「より身近で気の抜けた人生の肯定」があるからだ。
今のテレビに足りないのは予算でも企画力でもない。「より身近で気の抜けた人生の肯定」だ。
思えば私も、それをやりたいからこういう人生を選んでいるのかもしれない。グイッと背中を押すんではなくて、ポンと手のひらを置いて「いるよ」ってしてくれる感じ。
もちろん比喩である。だっておっさんの手なんかが背中に触れたらゾワゾワするもんね。そんなことすら忘れてそうな、ただ励ましたい一心で手のひらを置くおっさんの愚直さが好きだ。
【ご報告】随筆みたいなん書くことにします
こんにちは!ワキリントです。
もう、タイトルの通りです。アメコミだの映画だの一切関係なく、徒然なるままに日暮し硯に向かいて精神でぽーっと書きたい。そういう欲求に駆られたわけでございます。
理由といたしましては、先日の振り返り授業でもお伝えした通り、Twitterを消したことが一番大きいと思います。カスみたいな思考の吐き出し口として機能していたTwitterをアンインストールしたことによって、脳が春香クリスティーンの汚部屋のようになってしまったのです。これはコジマジックやこんまりの手を借りねばならない、そう思ったわけでございます。
それだけでなく、日頃絡んでいただいていた(こちらがダル絡みしていた?)ふかづめさん、やなぎやさんをはじめとした、シネトゥ繋がりの皆さまとの接点を切ってしまうのも悲しいと思ったからです。
これまでのぼくはひねもすアメコミと戯れてきました。何かにつけアメコミアメコミ。これからの随筆みたいなんはアメコミきちがいではない、きちがいとしてのぼくが垣間見えればなと思っています。そうすれば親近感、持ってもらえるかなって……え?きちがいではあるんかいって?やかましいわ!
二つ目の理由は当ブログの更なる飛躍のためです。とりあえず更新頻度を高めてみたい。そういう一年にしていくつもりです。最近役者の学校だのなんだのでバタバタですからね。先週の男はつらいよ記事は完成までに半年かかりました。アメコミからも離れた雑文でどれくらいの新規参入が見込めるかは分かりませんが、まぁ試しにやってみようやないの。ここおれのブログやし。「アメコミ一本槍だったから好きなのに!」って人ごめんなさいね。でももう7年目なんすよ。こっちも新たな風吹かしたいの。大目に見てや。
というわけで早速随筆みたいなんをしたためていこうと思います。
Twitterを消したことで他のSNSを触ってみる時間が増えた感じがある。
とはいってもInstagramは写真に重きを置いているので、文字情報やそこにある情感や語感の映えを好む私は「ふーん」なんつってスクロールを終える。
Facebookも登録してはいるが、あんなもん何に使うんだ。中学高校の教師と繋がっているSNSで「昨日のドンブラザーズめっちゃ良かった」とか言ってもわけが分からない。そんな、Twitterがある内は起動することもなかったFacebookを、最近はなんとなくで開くことが増えてきた。
Facebookには共通の趣味や互いの需要と供給がマッチした人々が集う「グループ」機能がある。その中で見つけた一つのグループが気になっていた。
一人飲み同好会。
群れるなよ。
【天文学⑦】ソー先生と学ぶ『男はつらいよ』奮闘篇
ソー先生
Zzz...Zzz...はっ!!夢か……
ん?や、、やぁ、君たちか。久しぶりだな……私か?いやまぁ見ての通り夢を見ていたよ。すごく幸せな夢だった。……大切な人に逢いたくなったよ。少しだけ。本当に少しだけ、な……
おーい……
おーい……
ソー先生
ん??なんだ??
おーーーい!!
ソー先生
んん?あれは…ワキリント君じゃないか!?どうしてこんな所へ!
どーしたもこーしたもねェよ!お前さんが心配で心配で、おれァいてもたってもいられなくなっちまってよォ!追いかけてきちまったよ!ガハハハハハハ!!!
ソー先生
ワキ君……『男はつらいよ』観てたんだな……
ン何言ってんだぃ!途中で辞めちまうようなことじゃねェだろう?
ソー先生
それにしても帰ってきてくれないと、この授業がいつまで経っても始められないからな。観てない可能性も考えられちゃうんだぞ。
……まぁまぁ!会って早々説教なんか垂れんなって!早速始めちまおうや!
『男はつらいよ』シリーズの授業をよォ!
ソー先生
今回は11作目から20作目を観てきたぞ。ファンにはお馴染みのキャラクターが登場だ。ワキ君の反応も気になるところだな。
★怒濤の10作連続レビュー★
十一作目 寅次郎忘れな草
おもちゃのピアノを買っちゃうやつ。
タコ社長のノンデリカシー発言タイムアタック更新したね。もうマドンナに振られたらという前振りもなくなったのでいよいよ緊張感が高まってまいりました。
今回のマドンナは寅さんと同じくフーテンというのも面白いですね。十作という大台を越え、新たな十作に向けて避けては通れない題材なのかもしれません。泡のような人生というのも共有していたけれども、最終的にマドンナは寿司屋の奥さんになりました。「自分の人生を決められる」というさくらさんの予想通り、寅さんとは似ているようで違う、いや、似ているからこそ違いの際立つキャラクターでございました。
十二作目 私の寅さん
とらや一家が旅に出て、寅さんがお留守番をするやつ。
自分が長いこと連絡もよこさず旅に出てばかりなのを棚に上げてすんごい心配する寅さんは可笑しいねぇ。いつ帰るとも言わないから理想の出迎えもされるわけないしいつも間の悪い感じになっちゃうのよ。
十三作目 寅次郎恋やつれ
吉永小百合が再登場するやつ。
絹代さん(敏子さん?)のときも、今回の吉永小百合扮する歌子さんのときもそうですが、寅さんは本当に苦労している女性にとことん何かしてあげたくなる、何かせずにはいられない人なんですよね。それが惚れているが故のものではあるんだけれども、これの見返りに恋仲になろうという邪心が微塵もないのがこの男の素晴らしいところです。しかし裏を返せば自己満足に陥っている可能性も残されていて、今回さくらさんがそこに言及してくれていました。多少寅さんも暴走気味やったしね。
十四作目 寅次郎子守唄
赤ん坊を押し付けられるやつ。
チビッ子には滅法好かれるし扱いも上手い寅さんですが、赤ん坊はどうやら苦手みたいですね。お節介が過ぎると言わんばかりに世話を焼く寅さんも、言葉の通じない赤ん坊には手も足も出ない、というよりは、何をしたらいいのか分かんねぇといったところでしょうか。柴又に連れて帰ってからはおばちゃんやさくらさんに任せっきりだったし、厄介事を押し付けたくらいに思われても仕方ないっすね。どちらにせよ、この良い人とやな人のバランスが絶妙です。
十五作目 寅次郎相合傘
おっさんと連れ立って旅するやつ。
会社でミスもせず、女関係で泣かせることもなく、真面目に生きてきた小心者のおっさんが求めるのが自由ですか。カーッ!ベタやね〜!!そんなおっさんに呆れ顔の寅さんもいいよね。誰がどう見ても自由な寅さんだからこそ、自由すぎるが故の退屈さを知っている。自由に羽ばたく鳥の辛さを知っている。思っているほど自由は永遠に楽しいものではないことを暗に示したエピソードですよね。
十六作目 葛飾立志篇
女子高生のあしながおじさんになってたやつ。
こういうことをドヤ顔もせず、誰にも言わずにやってのける男だから憎めないんでございます!どうやら惚れていたからというわけでもなさそうですし、旅先で苦労している人にはこんな感じで人知れず心ばかりの手助けをしているんでしょう。
十七作目 寅次郎夕焼け小焼け
すげー画家のおじいさんを世話するやつ。
あんだけ図々しい態度をとられて、寅さんとは違ってムキー!となるような叔父叔母、愛やね。とうとう小学校に入学した満男も「やめろー!」と寅さんの喧嘩を止めようとするくらい自我が芽生えています。お前はどう成長するんだ。早く育てよ。寅さんの悲しい決意も明らかになりましたよね。彼だってトラブルを作りたくて作ってるわけじゃない。今度こそは仲良くずっと暮らしていけるように、それを願って毎度とらやへ帰ってくるんですよね。悲痛な感じが出ていてすごくよかった。おれも担任には文句言ってやりてぇな!
十八作目 葛飾純情詩集
無銭飲食するやつ。
また見栄を張って周りに迷惑をかける寅さんの悪い癖が出てました。警察の人達にまで慕われるのはさすがの人たらしといったところかもしれんけど。
十九作目 寅次郎と殿様
鯉のぼりを買ってくるやつ。
ずーっと思ってましたけど、タイミングが良すぎるし悪すぎるんですよね。絶対来てほしくないタイミングで寅さんは帰ってくるし、鯉のぼりを買ってくる。おもちゃやし。アレ、正直に言ってたらどうしたんやろうね。それはそれで怒りそうなのが寅さんなのよ。まぁでも、犬にトラって名前つけたのを怒るのは分からんでもない。
二十作目 寅次郎頑張れ!
二階が大爆発するやつ。
金かかっとんねぇ。記念やから奮発したよねぇ。画変わりもできていいよねぇ。こういうことがないとさすがに飽きが来る作品数になってきました。と思ったら前のとほぼ同じのに建て直しただけやったけど。
中村雅俊と大竹しのぶとか、ようやく役者やっとるとこ観たことないレジェンド役者が出てくるようになりました。どうなるんやろう。ここから先はもっともっと知っとる人出てくるんかなぁ。美男美女で華がすごいねぇ。どちらも初々しさが残っている感じがしました。
ソー先生
うーん、授業が遅くなってしまったのも頷けるボリュームだな。続いてこの10作品の観賞体験を踏まえて、ワキ君がどう感じたかを聞いていこうか。
おうよ!任せときな!
ソー先生
会話になったらべらんめぇするの、なんで??
★寅ちゃん、寅、義兄さん★
さて、この10作で感じたことの一つ目は、妹のさくらさんを除いたとらやの家族への深掘りがバランス良く配置されていた点です。
ソー先生
ほう、前の授業ではおばさんがステレオタイプな昭和の女性になっていることに苦言を呈していたけれど、どうなっていた?
ちょいちょい寅さんを思い込みの激しい人、想像が飛躍しすぎるきらいがある人だと感じていましたが、その片鱗をおばちゃんから感じられて、うまいこと繋がりを見せてきたな〜と思いました。“血”なんだな、っていう。
ソー先生
ヒステリックとはまた違う、アタフタする様子がお茶目で活き活きとしたキャラクターが付与されているような印象だな。
夫婦での描写で言うと、子供ができなかったことが明かされました。寅さんがなんだかんだ喧嘩で家出しながらも帰ってきたり、さくらさんが真っ直ぐ育ったりした理由が分かった気がする。
ソー先生
『寅次郎子守唄』にて赤ん坊が引き取られることになった際、寅さんは下手したらマドンナに会う口実がなくなったくらいのダメージかもしれないけれど、おばさんのヘコみようは只事じゃなかったもんなぁ。
爆裂粗い画像ですけれど、おばちゃんの包容力が見えるとこですよね。
晩酌シーンでの扱いは相変わらずでしたが、ここ数作で深みがグッと増しています。悲しむおばちゃんを心配する満男もすごく良かった。いい男になれ。
おじちゃんはパチンコ通いに言及するシーンがありました。こういうディテールは要らん。
ソー先生
そんな満男くんに、やや重めの感情を向けているのが寅さんの義理の弟、博さんだ……ちょっと心配だよな??
いやもうホントにそれ。『葛飾純情詩集』での家庭訪問でのトラブルで遂に博さんがキレたんですよ。ここまでよくぞ我慢したよあんたはさぁ。タコ社長は己の心血を注いだ工場をコケにされて泣くほど悔しがっていましたが、博さんにとっては満男くんこそが逆鱗なんでしょう。
ソー先生
毎日油まみれになりながら、それでも厳しい生活を送ることしかできない博さんからすれば、コンプレックスを払拭するための夢の塊なんだよな。満男くんにとっちゃあそういうのプレッシャーなんでどうかとは思うけれど。これが後々の諏訪家に暗い影を落としそうだ。
とはいえ、これまで小難しい話題になった時の解説役でしかなかった博さんにも、ドラマを突き動かせるだけのパワーが備わりました。楽しみですね!
ソー先生
こうなってくると幸せになってほしいものだが、寅さんはそう思ってはなさそうなんだよな。
そうなんですよ!『寅次郎頑張れ!』冒頭の夢のシーンでは、事業に成功したタコ社長をはじめとして、豪華な暮らしを謳歌するとらやの面々に寅さんが出会います。これがねぇ、寅さんからすると悪夢なんですよね。
ソー先生
ワキ君的にも寅さんの気持ちが分かるそうだな?
そうなんですよ。故郷とか、実家とか、なんかどっかでずっと変わんないって思ってるものってあるじゃないですか。あれが変わるってねぇ、結構クッってなるんですよ。あっやべ、みたいな。寅さんみたいな変わらない人間なら尚更でしょうね。
ソー先生
これまで苦しむさくらさんを寅さんが助ける、みたいな夢が多かったのは、「おれが変わって奴らを幸せにしてやりたい」という気持ちの表れ。しかし勝手に幸せになってしまう彼らを見ると、自分だけが取り残された気分になるって寸法か。なるほどこれは悪夢だよ。
★山田洋次の「地肩」★
ソー先生
おっ、この見出しということはワキ君!このシリーズに「映画」を感じたってことかい!?
その通り!ショットだのカットだのはよく分かんないですし、未だに「お話」で観てしまうワタクシですが、それでもピクッ!とアンテナが反応するくらいには鍛えているつもりです。
紹介したいのは『寅次郎夕焼け小焼け』にて、画家先生とおそらく恋仲であったであろう女性とのやりとり。
ソー先生
ふむ……窓際に座って外を見る先生と、奥に座る女性。前景には花か…そして襖というかなんというか、それらを枠に納める戸。視線を交えることなく、しかしどこか奥底のところで繋がっているかのような品がある。ここに気づけるようになったのは、マジで成長なんじゃないか?
この辺のシーンです。さすがにピンポイントではなかったか……!
ありがとうございます!今作は後半でミナミの帝王みたいな展開になるのも含め、今回のお気に入りでした!
ソー先生
山田洋次監督といえば今作のような家族の悲喜交々を描く人で、「映画」を撮れているかというとやや疑問なんだが、その確かな地肩が発揮されたショット(?)なのかな。所々で差し込まれる自然の風景なんかは、当時の雰囲気も込みで美しいなと思いながら観れるよな。
印刷所や2階に人が引っ込んでは出てきて、話をややこしくしていく様は交通整理の為せる業ですよね。よく分かんないからアレですが、こういうピクッ!には今後も敏感に反応していきたいです。
★最終兵器を今出しちゃう狂気★
ソー先生
よし、そろそろ終わるとするか!今回も大ボリュームだったなぁワキ君!十作振り返ってみてどうだ?
なんといっても十一作目のリリーさんの登場、これに尽きます。シリーズを終わらせかねませんよ、この人。
ソー先生
確かに、リリーさんは歴代のマドンナの中でも寅さんとの幸せな生活に最も近い…いや、「車 寅次郎」という存在と共に生きることへの耐性が一番高いんだよな。どちらも気ままな暮らしから離れられない性分で、癇癪にも似た屁理屈に物怖じしないどころか、言い返して黙らせたりもできる。
車寅次郎という、成長の見込めないキャラクターをそのまんま愛せてしまう彼女の存在は、作り手が「寅さんを幸せにしてあげたい」と願った時のショートカットだ。
二人共渡り鳥だからこそ、共に長くはいられないのです。
メタ的にも、伏線回収はシリーズ終了の予兆だ、という前回のお話に当てはめるとリリーさんは特大の伏線なんですよね。伏線というよりはどうしても気になっちゃう人かな。
他のマドンナに恋焦がれている時も、こちらはリリーさんの影がチラつく。吉永小百合を再登場させることでリリーさんも有り得る!と予感させるのもニクい。ビジネスの上手さが出ています。
ソー先生
どんな創作物においても、主人公とされるキャラクターの成長や心からの目標が達成された時がシリーズの終わりなわけで、たとえば釣りバカ日誌は幻の魚イトウを釣らせるという形で引導を渡した思うんだが、このシリーズでいうと、寅さんが幸せになることや、とらやの家族への依存からの脱却がこれにあたるな。
いかんせん20作という数を重ねても彼に増えるのは失恋の痛みだけです。そこから何かを学ぶことは、おそらくしない。というかする必要が無い。なぜなら彼は嫌われてないから。慕われたまま、ただのっぴきならない事情でフラれたり自ら身を引いたりするんです。
ソー先生
そうした絶妙な展開であの男が変わるはずもなく…そんな寅さんの究極の理解者であるが故にシリーズにとっての究極の舞台装置として機能するリリーさんは、お決まりのパターンに変化を与えるキャラクターだな。
「今度こそ行けんちゃうん!?」っていうね。そんな爆弾を割と序盤で出してくるの、こんなに長く続くって思ってなかったとしてもイカついですよ。
ソー先生
これからのシリーズを観る勢いもつくってもんだな!
授業やる度に毎回楽しみになるんですよねぇこのシリーズ。行ってきまーす!!
ソー先生
えっ?あ、あぁぁぁ……行ってしまったな。今度はどこへ行くんだろう。暖かいところだろうな。いずれにせよ、また元気な姿で会えることを祈ろうじゃないか。ではまた!
【始業式⑤】2023年アメコミ映画&ドラマ、網羅します
こんにちは!そしてあけましておめでとうございます!ワキリントです。
今年はいい年になるといいな。世界中全員の預金がめっちゃ増えて、体調も常時バリバリ、食う飯食う飯ぜーんぶバカうま、何を着ても誂えたかのような似合いっぷりに道端アンジェリカも真っ青(マッツァオと読んでほしい)……みたいな。そうすれば皆の心にも余裕が生まれて、アメコミ映画やドラマを観てもらえる機会が増えるかもしれないでしょう?
しかし皆さん、聞いてくださいよ。ワタクシ愕然としました。2023年に公開されるアメコミ作品を網羅できてるサイト、まぁ〜どこ探してもないんすよ(あったらごめん)。
いや、分かるよ?度重なる延期とかさぁ、ドラマも始まって何がなにやらみたいなさぁ、そういう、まとめる方も面倒臭い量の多さってのはぼくも重々承知しております。
だからこそですよ。ぼくがひと肌脱ごうじゃない!MARVELもDCもsonyもごちゃ混ぜにしちまってさぁ!どうせ一括りで「アメコミ」なんだからさぁ、世間ってやつァ!何から何まで紹介しちまおうじゃねぇの!そしておれはそれを全部観る!!
おめぇらも狂っちまえ!!!!
★怒濤の紹介パート(漏れてたらゴメン)★
2月17日(日本公開)
アントマン・アンド・ザ・ワスプ:クアントゥマニア
世界最小のヒーロー、遂にミクロ化!現実世界の科学でも未だ未到達の量子領域を、親子三代のミニミニヒーローが大冒険!MCUは今作でフェーズ5をスタートさせるみたいです。
3月17日(日本公開)
シャザム!〜神々の怒り〜
精神年齢ガキンチョのマッチョヒーローが活躍するDC映画の続編!神々の怒りってどっちが怒るの?敵?それともアンタら?
春配信(ディズニープラス)
シークレット・インベージョン
どこで何してたかサッパリ行方知れずだった眼帯のオッサン、ニック・フューリーさんがカムバック!今度はどんな厄介事持ってくんの?流石にヒーローに尻拭いさせんとお前で処理せえよ。
5月3日(日本公開)
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOL.3
銀河を股にかけるマヌケ集団3作目!一番の目玉です。また泣かせてくれや。しっかり見届けるわ。先に言っとく。ありがとう。
6月2日(全米公開)
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
まさに「アメコミの映画化」を実現したアニメの続編です。前作よりも沢山のスパイダーマンが登場するみたい!
6月16日(全米公開)
ザ・フラッシュ
一番どうなるか分からない映画。公開されるん?また延期されるん?どうなん?早く確定してや、スピードスターの映画なんやからさぁ。
7月28日(全米公開)
マーベルズ
『キャプテン・マーベル』(2019年)続編は、マーベルなパワーを持った3人の女性が揃い踏み!爽快な戦いを期待したいところ!
夏配信(ディズニープラス)
エコー
ドラマ『ホークアイ』(2021年配信)で登場した、耳の聞こえない義足の女性、マヤ・ロペスさんが主役のドラマシリーズ!振り返るためにもう一回観たいですね。復習もしてないし。
夏配信(ディズニープラス)
ロキ シーズン2
時間軸をしっちゃかめっちゃかにして、これからのMCUが直面する問題の原因を作ったドラマのシーズン2!あんな大事件の後始末を2年も待たすなよ!!ってか復習してねぇな!
8月
ブルービートル
DC初のラテン系ヒーロー単独主人公作品!試写の評判は上々だったみたいですが、どうなるんですかね。延期しないといいな。
秋配信(ディズニープラス)
アイアンハート
『ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー』(2022年)でデビューを果たした天才少女、リリ・ウィリアムズさんのドラマシリーズ!最新鋭のスーツがドラマの予算でどんだけ勿体ぶられるか見ものですよ。
12月25日(全米公開)
アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム
海の神、待望の続編!ギリ来年になっちゃうかなぁ。それにしてもまた冬かい。南半球基準で公開日決めてますね。主演がそっちの人だからかな。ほっこり。
★網羅できたかどうか不安な多さ★
はい!以上が2023年に公開予定のアメコミ作品ですね!!いやバカ多いなぁ!
気になったやつだけでもいいんで皆さんも観てみましょうね。ユニバース構想を始めたアメコミ映画とマジメなジャパニーズの性分があちゃちゃな方向でマッチしてしまい、最新作の前にこれまでの作品を予習してないといけない感じになっちゃいますけど、そんなんもうどうでもいいから。観よう観よう。
2本くらいはいいのありますから。ぼくの復習読んでたら大体分かるっしょ?これにはあんまハマってねぇんだなっていう。その後でもいいんで観ましょう。ね。
そんなことより、心の余裕が皆さんに溢れる一年になりますように。それでは!
【終業式⑥】2022年公開アメコミ映画&ドラマ振り返り!!
こんばんは!Twitterをアンインストールしたワキリントです。
SNSに疲れちゃったし、誘惑が多すぎて時間を失っちゃうしでメリットあんまねぇなと思い、思い切って削除してやりました。
……いや、メリットはあるんですよ。現にアンインストールしたせいでふかづめさんのスーパー行った報告も見れないんですから。
あと新作アメコミ映画の予告編映像とかも最速でキャッチできませんからね。こんだけアメコミ映画界に貢献してるんだから郵送で送ってきてくれたっていいのに…ねぇ?
そんなこんなで2022年が過ぎ去ろうとしております。今年もあんなアメコミ、こんなアメコミがありました。振り返るぞ〜!Twitterどころかテレビも見てないせいで時事もフワフワしてるわ!一番パッとしなかった作品と、観てない作品の時は好きな居酒屋のメニューを紹介します!早速レッツゴー!!
★時事に絡めて沢山振り返り!★
1月 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
今年のニュースで新鮮だったのは佐々木朗希選手の完全試合。本当にやれるんだっていうシンプルな驚きがありました。アメコミ界隈では年初め早々パーフェクトゲームやってましたけど。新規映像追加版も観ました。別にマウント取りたいわけじゃないけど。
3月 バットマン
ぼくがアンインストールしたTwitter、イーロン・マスクが買収したのも今年の話。大富豪って凄いよなぁ、ゴツい車運転して悪党追いかけ回したりするし。
3月 モービウス
お見送り芸人しんいちさんがR-1ぐらんぷり優勝したんですよ。覚えていますか。この映画と同じくらい記憶の片隅に置き去りにされてそうなお見送り芸人しんいちさん、好きぃ〜♪
3月 ムーンナイト
今年のキングオブコント王者、ビスケットブラザーズのコントを松ちゃんが「コントにも演技力が求められるようになってきてしまった」と評していましたが、これからのコント師には今作を観て勉強してもらえればと思います。役者の端くれとして「ほえ〜」となりました(なっただけ)。
5月 ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス
M-1グランプリ王者、ウエストランドに負けず劣らずの悪口なドクターストレンジ先生の新作。映画としての満足度で言ったら今年一番だったかもなぁ。サム・ライミ監督はすごい。
6月 ミズ・マーベル
天才ピアニストのTHE W優勝、ヨネダ2000の大躍進など、女性芸人のパワーをビシビシと感じた今年、溌剌とした新ヒーローが誕生しました。おめでとう。おれまで嬉しいや。
7月 ソー:ラブ・アンド・サンダー
雷神様のソー先生最新作に合わせたかのように現れたのが、村神様こと村上宗隆選手。福岡出身のワタクシと致しましては、交流戦なりオールスターなり、日本シリーズでガッツリ戦ってるところを観たいですね。鷹と。
8月 アイアムグルート
アイ、アム。グルート!
9月 シーハルク:ザ・アトーニー
今年の歴史的な円安は堪えました。皆さんのお財布にも少なからず打撃を与えたのでは?法律かスーパーパワーでどうにかしてもらうしかないですね、こりゃあ。
9月 DCがんばれ!スーパーペッツ
炙りしめ鯖です。
10月 ウェアウルフ・バイ・ナイト
ホタルイカの沖漬けです。
リアクション芸人界の王が亡くなられてしまいました。アメコミ映画界でも王が亡くなっています。その悲しみを乗り越えましょう。
11月 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:ホリデー・スペシャル
皆さんクリスマスプレゼント何にしました?ポケモンの新作とかありましたよね。まだストーリー終わってないんですよ〜早くやらないと。
12月 ブラックアダム
ゴチゴチの超人がブッ飛んでましたねぇ。まさにBIGBOSS。ブッ飛び方に違いはありますけれども。どっちもエンタメとして大好きでしたよ。
★映画の話した?★
さて、以上で振り返りは終わりです!
いやぁ〜、多すぎ。疲れちゃう疲れちゃう。こんなに矢継ぎ早にアメコミ作品あってさぁ。その上で役者の学校の稽古とか本番とかさぁ。他の作品なんか観れん観れん。
そういうのを乗り越えて観るのが本当に好きな作品なんでしょうけどね。分かってる分かってる。
来年上手くいけば役者の学校も2年生に上がるので、公開日に観に行く、というのも難しくなってくるかもしれません。やってない復習含め、必ずや授業は行いますので!来年もどうか私立アメコミ高校をよろしくお願いします!
では、、よいお年を〜!!
【テスト㉟-B】ブラックアダム大復習!!
こんばんは!卒業公演に全ての体力を持ってかれていたワキリントです。
2週間前に終わったんですが、その後はぶっ倒れるように寝ることだけを余儀なくされていました。いやはや、体力作りの検討をこれほどまでに痛感することになるとは。
そんなこんなで今日観てきました、『ブラックアダム』。ホントなら終わり次第すぐ観たかったんですが、シネマの暗さでぶっ倒れるように寝る可能性もあったんで。万全の体調で臨みました!それでは復習レッツゴー!!今回はホヤホヤだよ!!
★あらすじとキャラクター★
5000年前、独裁者の武力制圧によって支配されていたカーンダック王朝では、民主主義的に暮らしていた国民たちが奴隷として特殊な鉱石エタニウムの発掘に従事させられていました。
エタニウムを材料とした悪魔的なアイテム、サバックの冠を手に入れる独裁者の野望の人柱とされ、迫害される人々。そんな中現れたのが、魔術師によって力を得た超人、テス・アダムさんでした。独裁者との闘いに勝利し、王朝は平和を取り戻したのです……
しかし時は繰り返す。現代のカーンダックはギャングに牛耳られ、自由な行き来もままならない大きな牢獄。
そんな状況を変えようと一人奮闘する強き女性、アドリアナさん!彼女の絶体絶命のピンチに現れたのは、あの伝説の超人、アダムさんだったのです!!これにはアドリアナさんの息子、アモン君もニンマリ!
圧倒的なパワーで悪党たちを葬り去っていく(ここ重要)アダムさん。国を救う勇者の帰還を喜ぶアドリアナさんでしたが、そこに現れたのはアメリカが誇るヒーローチーム、JSAことジャスティス・ソサイエティ・オブ・アメリカ!
彼らは国の運命を変えてくれるアダムさんの復活を快く思っていない様子。なぜなら世間に信じられてきた伝説と事実は異なるから…
いや、過去はいい。現在、ここで、悪人とはいえ命を奪うのはヒーローの行動ではない!!JSAのリーダー、ホークマンさんが吠える!
んなこたァ知るか!そもそもおれヒーローなんかじゃねぇし!5000年前に色々あったっぽいけど隠して歯向かうアダムさん!!
未来が視えるからか仲裁せずに高みの見物と洒落こむドクター・フェイトさん!
ちゃんと作戦通り動く風使いのサイクロンさん!彼女といい感じになろうと必死のアトムスマッシャー君!
忘れ去られてるけど敵の手に渡ったらマズいサバックの冠!!ちゃっかり連れ去られるアモン君!
喧嘩すんなって!!!
世界の命運はパッとしないヒーローチームと、暴力の権化みたいなマッチョ超人に託されてしまったぞ!!
★見どころ~全員に響かせるのって難しくなっちゃったよねスペシャル~★
さて、観たその日に書くあらすじはノってますねぇ。ざっくり過ぎるきらいもありますが。続いては見どころです。
今作はもうね。
観てるこっちが恥ずかしくなるくらい「ハリウッド映画」してたわ。
皆さんあるでしょ?「洋画」っていうか、「ハリウッド映画」に対するイメージ。あのノリ。ずーっと。
こういうのがウケちゃうノリ。
原作コミックからやや変更されたオリジンも相まって、女子供には極端に甘いバイオレンス・スーパーマンになっているアダムさん。
こんなナリしてんのにねェ。
こういうアンチヒーローものって本来なら悪がどうだの、正義がどうだのという問答になるんですが、「ハリウッド映画」のノリがそれを阻みます。
んもう!そんなことより切羽詰まってンスけどウチの国!!!って。
アクションシーンはアクションのためのものでしかなく、話が動くことはビタイチありません。
スーツによって自慢の筋肉も僧帽筋くらいしか見せつけられないアダムさんも、超人すぎてパワーよりもスピードの方が目につきがち。スロー多用しすぎるとそうなるって。
ヒーローとしての覚醒の過程なんかも実に前時代のハリウッド映画的。手垢べっとりのド真ん中ブチ抜いてきたって感じですよ。
ただねぇ、ぼくアメコミ映画の「偏食家」ですが、だからこそアメコミ映画に関しては「雑食」なんで、こういうクソバカド真ん中ぶん回しアメコミも楽しめちゃいました。たまに食う日清カップヌードルみたいな、そんな感じ。
やれ社会問題取り扱いましょうだの、スタッフの色んな構成比バランス取りましょうねだの、んなもん映画の「外」の話っスからね、ぶっちゃけ。
ことMCUなんかは「外」を「内」に絶妙にブレンドし、境界線を半透明化させることによって大成功しています。『ブラックパンサー』(2018年)などに代表されるマイノリティへのエンパワメントも素晴らしい功績である反面、局所的になってしまう勿体なさもありました。
そんな中で今作はアメコミ映画が、ヒーロー映画が本来持っていた、「人類への」エンパワメント、鼓舞を描いた点で優勝です。
ドウェイン・ジョンソンさんの筋肉を拝めなかったと嘆いている皆さん。今作はお行儀よくなっちゃった最近の映画界に産み落とされた、正真正銘の脳筋映画でしたよ。決して面白い作品ではなかったですが、ブラックアダムさんを主役に据えて映画界に殴り込みかけるときのカタチは絶対にこうあるべきでした。ありがとう。
さて来週は2022年ラストです!頑張るぞー!それでは!
皆さんは頑張らずにどっしり構えといてください。
【模試⑩-B】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル大復習!!
こんにちは!暖房の誘惑に屈してしまったワキリントです。
ヒートテックなる防寒着を纏いさえすれば、大抵の寒さは凌げる…そう思っていたときがぼくにもありました。つい昨日、耐えかねてリモコンを手に取った次第です。そして気づきました。
もっと早くつければ良かった。
我慢なんかするもんじゃないです。あるもん全部使ってぬくぅくなりましょうや。寒さに震えるのは風呂前の脱衣所だけで十分さ。
そういう時にはこう、心にぽっ、と灯りが点るようなそんなのを観たりしたいですよn……
ありました。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル』が。
うってつけやんか。皆さん観ました?配信されてから1ヶ月弱が経ちましたけども。
ぼくは観たんで遅ればせながら復習させていただきます。なんで遅れたかは夜の『ブラックアダム』復習回で言ったげる。レッツゴー!
★あらすじ★
銀河を股にかけてワチャワチャする集団、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。現在彼らの拠点は、一作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)にて登場したノーウェアのようです。
チームメンバーのクラグリンさんから、地球にはクリスマスというハッピーなイベントがあってそろそろその季節だということ、リーダー(仮)であるピーター・クイルさんは幼い頃、父親がわりの宇宙人ヨンドゥさんにクリスマスをめちゃくちゃにされて以来、プレゼントを贈りあったりという幸せ満点イベントを開催できていないということを聞いた他メンバーの皆さん。
こんなに仲睦まじいのにねぇ。
そんな悲しい想い出にしちゃダメよ!と立ち上がったのはマンティスさん。どしたん急にやる気出して。ピーターさんに特別な感情でもある感じ?
彼女の説得でプレゼント調達に参加することになったのがドラックスさん。こういう任務に適しているとはとてもじゃないですがいえません。しかし他には喋るアライグマに動く木、無口なサイボーグレディ、高知能ワンコ。こんなもん消去法です。
クリスマスには大切な人の特別なものをプレゼントするというフワッとした知識から、二人が導き出した結論…それは!
ピーターさんがことある事に引き合いに出す伝説の人物、ケビン・ベーコンをプレゼントすること!
イェーイ!ハッピーメリークリスマス!
クリスマスを知らぬ宇宙人が故のヒラメキでとんでもないことになっていくガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのクリスマス!ケビン・ベーコンは果たして宇宙に連れ去られてしまうのか!?
連れ去られちゃうぞ!
★見どころ★
今作でぼくがホクホクしたのはヒーローの日常が観られたこと、これに尽きます。
ドンパチやってるばかりではキャラクターに血が通いません。彼らがどういう世界を生きてどんな視線を送り、また視線を返されているのか。そういうヒーローの本筋から外れたところにぼくなんかはビッグラブを送っちゃうんですよね。
そういう点で今作はとっても満足度の高い仕上がりでした!地球(というか、アメリカ)の文化に初めは戸惑うも、徐々にノってくる二人の温度感や、ケビン・ベーコンさんから観た「自身を宇宙に連れていこうとする謎の超人」の無邪気な恐ろしさ、警察という地球上で最も身近なパワーとの差。
パワーとは、何も強大な敵を打ち倒すことのみで測られるものではありません。こういったちいちゃいとこで「この世界での超人ってこういうとこまでできるんや」というのが地味に嬉しいんですよねぇ。
そういった超人のパワーを一般人視点で描き、ホラーテイストに仕上げたジェームズ・ガン監督の手つきはお見事。そりゃあそうよね、と頭では納得できますが、いざ作れとなると…コメディ要素も盛り込みながら、ある種ヒェッ…となるような軸で二人とケビン・ベーコンさんのチェイスを切り取ったのは楽しかったなぁ。
音楽はちーとばかし印象が薄かったですね。2曲くらいを除いては。実際に唄うことでやっと存在意義が生まれてくるくらい、劇伴がわりの既存曲使用が馴染んでしまう世の中になってしまいました。ガーディアンズシリーズのお家芸がいつの間にかスタンダードになっちまったもんね。
期待していたマンティスさんとドラックスさん、そして家族と過ごすクリスマスという組み合わせの妙は残念ながらありませんでしたが、サラッと明かされた新事実によって別ベクトルのホッコリが穴を埋めてくれました。
最終作になりそうな三作目に向けて要素を盛りに盛ってきてます。勘弁してよ。全方位、相関図の全矢印にウルウルポインツ作る気かよ。
★ガーディアンズは癒し★
さて、以上で復習は終わりです!社会的に重たいテーマも扱わず、徹頭徹尾、「家族」を描くガーディアンズシリーズは、壮大に肥大化、多様化していくMCUにおいて、変わらない輝きを放ってくれています。
映画って説教するための道具じゃないんでね。アカデミーさんはそういうのが最近お好みなようですが、エンターテインメントって本来こういうミニマムなものでよかったんじゃないかな。
どちらにせよ、高いクオリティで「世界」を描くMCUとは長い付き合いをしていきたいですね。いつの間にか大きくなってしまった息子のように、旅立ちが迫ったガーディアンズの面々を観てそう思うワタクシです。
笑って泣いて癒されて、ジーンと心があったまる。ガーディアンズは心の暖房。何を言うとんねん。それでは!!
メリクリ!