私立アメコミ高校

アメコミに関する様々な授業をしていきます

【テスト⑮-B】キャプテン・マーベル大復習!!

こんにちは!!先日初めてオフ会的な映画好きのイベントに参加してみました。ワキリントです。初めましての方は以後お見知り置きを!!

 

アメコミ映画しか観てないのは果たして「映画好き」と呼べるのか??という自問自答を長く続けた結果、参加する勇気が出るまでに時間がかかってしまいました。

 

しかしいざ行ってみたら杞憂の極み。現代の映画界を反映するかの如く多様性を受け入れてくださいましてですね。正直SNSで繋がるとこまで打ち解けられるとは思っておりませんでした。本当にアリス。

 

さてそんな出来事があって以来初めての開校となる「私立アメコミ高校」。その内容はもちろん!!

 

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先日公開されたMCU最新作キャプテン・マーベルの復習だぁ!!

 

常に時代が求めるものを世に送り出してきたMCUが、満を持してお届けする女性主人公作品!!待っていましたと言わんばかりのテンションで観てまいりましたよー!

 

それでは復習していきたいと思います!!…あ、先にぼくの感想を伝えておきますね。

 

「おぉ?お、おぉん…あぁ…まぁ悪かねぇけどイマイチか…」です。オフ会で感想聞かれたときどないしようかめちゃんこ迷ったぁ〜。

 

アメコミ大好きのぼくがこんな気持ちになったのはなぜなのか、初めましての授業がこれはぼくもツラいのですが、よろしければついてきてくださいね。悲しみシェアしてこ。

 

あらすじとキャラクター

姿形や声色、ちょっと前までの記憶などを完璧にコピーする能力を使い、あらゆる惑星を襲うスクラル人。彼らの脅威から母星を守るため、クリー人は長い戦争状態にありました。

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栽培マン?知らないなぁ

 

本作の主人公、キャプテン・マーベル先生ことヴァースさんは、クリーの精鋭部隊スターフォースのメンバーとして、任務についていました。

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それぞれ卓越した能力を持つスターフォースの面々。よーく見ると『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にいたコラス君もいます。

 

彼女の能力は腕から放たれる超強力ビーム(フォトンブラスト)。しかし感情の抑制がうまくできないと暴発してしまう仕様のせいで、彼女の悩みの種となっている様子。

 

彼女を悩ませていたのはもう一つ。昔の記憶が失われてしまっていること、そして寝るときに見る夢。何度も何度も繰り返し見るその夢に疑問の尽きないヴァースさん

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彼女が打ち明けられるのは、強い戦士へと鍛え上げてきた司令官だけ。そうじゃなくてもジュード・ロウさんには何でも秘密打ち明けちゃいそうなのに(は?)。

 

「私は何者なのか?」その答えは意外にも、遠く離れた地球にありました…

 

あらすじはこの辺にしときましょう。本作はサスペンス色を押し出した作品になっているので、あまり多くを語れません。やりづらっ!!

 

先程もお伝えした通り、個人的な感想としては芳しくない本作ですが、それでも世紀の暴言吐きまくり回となった『ヴェノム』のようにヤツを登場させないのは、「ここは観る価値がある」という美点があったから。お次はそんな見どころを紹介します!

 

見どころ

さて、一つ目なんですが、これはもうオープニング以外ないでしょう。

 

愛とリスペクトに満ちた素晴らしいオープニングでした。なんなら一番涙腺刺激したわ!ふざけんな!用意してねーわ!

 

ぶっちゃけここが本作のハイライトと言ってもいい。

 

お次は舞台となる90年代のアメリカ。まさに古き良きアメリカ!という感じで、なぜか懐かしさを抱いてしまう。

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ええ疾走感だこと〜!

 

人物で言うと一介のS.H.I.E.L.D.エージェントとして、地球に現れた先生を調査することになった若かりし頃のニック・フューリーさんや、彼の相棒として任務につく新米エージェントのコールソンさん(おかえり!!)。彼らがどんな人物だったのか?というのもファンにとっては気になるところ!

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彼らのボスを演じるのがベン・メンデルソーンさん。本作でも名バイプレイヤー。

 

「そんなんでええの?」というフェミニズムにわかの戯言

以上で復習は終了です!たくさんの見どころもあり、オリジンものとしても、MCUの入り口としても素晴らしい作品です!

 

しかしわたくしワキリント、本作には腹に抱えているものがございまして、今回は誠に恐縮ながら発表させていただければと思います。

 

まずはサスペンスとしての完成度の低さ

 

前述の通りヴィランとなるスクラル人は変身能力持ち。否が応にも「コイツはスクラル人?それとも仲良いアイツ?」というサスペンスがキモになってくるワケです。

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それが成立するには「いつ、どこで、どいつに変身したのか」という場面が必要ではないかと思うんですが、本作ではいつの間にか変身しちゃってるので変身サスペンスが全く活きていません。

 

メリハリがないといいますか、ユターっと話が進んでったらいつの間にか先生が勝ってたみたいな、そんな緊張感のない内容にフォトンブラスト。

 

もう一つのサスペンスである「私は一体何者?」サスペンス。これがもう…

 

すっごいのどか。安らいじゃう。

 

続いてはアクション。90年代が舞台だからなのか、全体的に緩慢なアクションで洗練されていないような印象を受けました。

 

まさか自分でこんなことを言うとは思っても見ませんでしたが、アクションの撮り方に関して言えばルッソ監督の方が上手いな、と感じてしまいました。

 

主演のブリー・ラーソンさんは本作のためにめちゃくちゃトレーニングを積んだとのことですが、先生の強さがいまいち伝わりづらいスピード感のアクションになっちゃってました。

 

空を飛ぶシーンも『アイアンマン』シリーズに軍配が上がっています。広がる青空とブリー・ラーソンさんの凛とした表情を撮れる絶好のチャンスを邪魔するCGヘルメット

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表情が分かりづらいのは致命的だったなぁ…

 

更に圧倒的な前置き映画感。サスペンス(笑)という特性もあるのか、本作では「伏線を張っては回収、張っては回収」という事務的な流れが拭えませんでした。

 

それに加えてMCUの次回作が『アベンジャーズ:エンドゲーム』。それに向けての壮大な前フリを2時間近くやりました、みたいな印象が非常に残念です。

 

そして最後。ヤツを出さなかった最大の理由でもあるのが、先生を「理想の女性像」とは思えなかったからです。

 

言うまでもなく、MeToo運動が始まってからしばらく経った今この時期に、女性主人公を据えた作品を撮る、というのは何かしらの社会的意義を狙ってのことだとは思います。

 

SNSなどをやっていると放っておいても「フェミニズムとは云々かんぬん」という投稿を目にしますよね。フェミニズムが正確にどういった概念のことを言うのか?ぼくは未だに全容をつかめている気がしませんが、本作でこれまでそういった投稿を見てきて、分からないなりに感じていた「女性が目指す理想」「本来あるべき男女の関係性」などを答え合わせしているような気持ちで観ていました。

 

そこでぼくは「そんなんでええの?」となってしまったのです。

 

MARVELの中でも最強クラスの能力を持つキャプテン・マーベル先生。そんな彼女の「過去が分からない(=アイデンティティを確立できるものがない)」という特性を使って表現しようとしたのは分かるのですが…

 

ぼくはそこで「大丈夫?あなた方が目指してたのって、こういうやり方??」となってしまいました。

 

フェミニズムを高らかに語っていた人々が一番嫌うであろうやり方なのに、世間の評価は「そうそう!!こういうのだよ!!」みたいな所に矛盾を感じちゃってイマイチ乗り切れない。うーん、ぼく自身にフェミニズムを語る説得力と見識がないので説明ができない…くっそー…

 

なんだかんだ言いましたが本作は、ぼくみたいに多少フェミニズムに対する理解を深めたいと思っている人(もちろん、そういう人が正しく認識できているとは限りません。ぼくを含め)や、ではなくて、今まで女性に対して抑圧的な態度をとってきてその自覚すらなかったり、「女性主人公の映画あんま観たくないんだよね」とか抜かしたりする世のボンクラ共にこそ観てほしい。そして悔い改めろ。

 

そうだよそこのテメェのことだ!!!!!

 

すいません感情が昂ぶってしまいました。こういうところがまだまだ未熟な部分ですね。反省はしますが後悔はしません。

 

個人的には多少モヤモヤするけれど、世界中の抑圧されてきた人々のモヤモヤ、ガラスの天井をフォトンブラストでぶち抜く最強ヒーロー!!その勇姿をぜひスクリーンでご確認くださいませ!!それでは!!

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最後に殺伐としたフェミニズム談義を和ませるグースちゃんを。かわいい。