私立アメコミ高校

アメコミに関する様々な授業をしていきます

【天文学②】スーパーマン先生と学ぶ『スーパーマン』シリーズ【前編】

こんにちは!髪をセットすることをようやく覚えだしたワキリントです。

 

24歳にして何を言うてんねんという感じですが、これまで他人から見た自分の髪型のことなんてものはSexyZoneの新曲くらい気にも留めていなかったあの頃から考えると大躍進なんでございます。

 

ジェルであーでもないこーでもないといじくる過程も今のところ楽しめております。といっても結局七三分けみたいな感じになるんですけどね。そんなときこう思うわけです。

 

 

「スーパーマン先生もこんなに髪型悩んだのかなぁ」って。

 

 

アメコミ映画好きを自称しながら未鑑賞であった『スーパーマン』シリーズ。長らく手をつけてこなかったこれらを今回、ついに紐解いてみようというわけです。

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さて、そうと決まれば一緒に語り合う先生をお呼びしなければなりません。

 

全国70億人のファンの皆様、お待たせしました!スーパーマン先生でございます!!

 

スーパーマン先生

グスン……皆さんこっ、こんにち…ヒク…エッグ…わぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

うぉぉぉ!どうしたんですか急に号泣しちゃって!!

 

スーパーマン先生

ごっ、ごめんねワキ君…グスン……でもぼく…本当に…本当に呼んでもらえたのが嬉しくて……!!

 

あー……そんなに辛かったですか、呼んでもらえなかったの…

 

スーパーマン先生

当たり前だよぅ…DCコミックスの看板ヒーローであるぼくがさぁ…いつまで経っても呼ばれないんだよ?こっち側の教師紹介がグリーン・ランタンだけなのもどうかと思うよ?

 

ただアイツのおしゃべり聞いただけになったあの回ね。それはホント…ごめん。
でもまぁ、だからこそ、シリーズを制覇し、先生が長年愛されてきた理由を探ることで不義理に報いようとしているんじゃありませんか。

 

スーパーマン先生

いいの?本当は去年観た『ロッキー』シリーズをぼくとの初回にするつもりだったんじゃなかった?

 

ギクッ!スーパーマン先生にお越しいただいているのに、他のシリーズを先に紹介するのはちょっと違うかな〜、なんて……

 

スーパーマン先生

そういうことだったのか!そこまで…そこまでぼくのことを大切に思ってくれていたなんて…ぼく…ぼく嬉しくて……うっ、うわぁぁぁぁぁん!!!

 

ここではそういうキャラでいくつもり??あんなに紳士的でカッコよかったあなたが??

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ホンマに綺麗なブルーの瞳してんすわ。

 

★クラシック・スーパーヒーロー★

スーパーマン先生

早速始めてくれるんだね!あ、一応確認なんだけど、一作目『スーパーマン』(1978)はちゃんとディレクターズカット版を観てくれたんだよね?

 

ええ、それはもちろん。古参のアメコミ好きとか映画好きからナメられないようにバッチリとね。さて、このリチャード・ドナー監督によるシリーズ一作目の魅力はなんと言っても「誠実さ」

 

スーパーマン先生

「誠実さ」か!実にぼくらしい結論だね!

 

自分でそれ言う??
名だたる有名俳優を「空を飛びそうに見えない」とし、当時無名だったクリストファー・リーヴさんを抜擢したり、「迫真性」にこだわって撮影を進めたり、とにかく「現実にスーパーマンがいると思わせる」ことに心血を注いだことで、誠実な姿勢がにじみ出ていました!

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全身タイツの男が空を飛んでも「ありそう」となるパワーがありました。

 

スーパーマン先生

実際この映画が公開されるまで、テレビやラジオでのドラマ・劇場でのミュージカルなどといった媒体で製作されてきたんだけど、正直行き詰まっていたというか……今風に言うとオワコンだったんだよね、ぼくを扱った映像作品って。

 

そんな世の逆風を一身に受けながらも、歴史に残る一大シリーズの土台を作り上げたドナー監督…スーパーマン先生に対する「誠実さ」が為せる業ですね!

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スーパーマン先生

そうだ、このシリーズに使われている特撮について逆に聞きたいんだけど、MCUのようなめちゃくちゃリアルなCGを使う映画に慣れてきたワキ君が観て、この映画はどうだった?

 

特撮ですか!いやまぁぶっちゃけ、ワイヤー見えてるなぁとか、これ背景はめ込んでんなぁ、とかいう場面は多々ありましたけど、それでも当時の最先端を惜しげも無く使っているのを考えると、これもまた実に誠実にヒーローに向き合ってくれているなぁ、と惚れ惚れしました。

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普通に良くない?

 

スーパーマン先生

ホントかい!よかった…よかったよぉぉぉ!うわぁぁぁぁぁん!!

 

情緒をクリプトンに置いてきたんか?
現代で作られる映画のCGの元祖が背景はめ込みでありミニチュア模型なんですから、そこに対するリスペクトは欠かしてはいけません。今回そういったクラシックな撮影技術を観ることができて感動してますよ!

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試行錯誤の末に半透明ゴッドファーザーの顔面と喋るという斬新な表現も生まれたんでしょう。

 

★『電子の要塞』は「誠実」か?★

スーパーマン先生

技術面の次はストーリーだね。聞いたところによるとワキ君はアメコミ映画好きが災いしてか、『スーパーマンにおけるぼくの「バイツァ・ダスト」を知ってしまってたみたいだけど、どうだった?

 

ネタバレに配慮するあまり分かる人にしか分からんジョジョネタで表現することになってしまったこと、代わりに謝っときますね。
「バイツァ・ダスト」のこともあって観る前は「こういうトンチキな感じで話が進むんやろうなぁ」と思っていたんですけど、スーパーマン先生の生い立ちから始まり、青年時代の葛藤、ヒーローとしての覚醒など、実に丁寧に描写されていていい意味で裏切られました

 

スーパーマン先生

なるほど!それもまた一つの「誠実さ」の表れかな?

 

そうですね!クラシックなヒーロー像として人助けがメインで描かれているのも「これだよこれこれ〜!」ってなりましたし、そうなってくるとおざなりになりがちなヴィランコメディリリーフの役割を任せたり、「バイツァ・ダスト」的なトンチキをやってのけたり、絶妙なバランスの上に成り立っている作品だなと思います。

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ギリギリファンから怒られなさそうな描写のコメディルーサー。ミステシュマカー!!

 

スーパーマン先生

トンチキなアイデアは一作目の途中で合流したリチャード・レスターさんによる功績だね。『スーパーマンⅡ 冒険篇』(1980)からは監督を務めているけど、彼には「誠実さ」があったのかな?

 

あったと思いますよ?といってもドナー監督のような「現実にスーパーマンがいるように観せる」というのとは違って、「現実にスーパーマンみたいな最強の奴がいたらこうなるだろうな」っていうタイプですけどね。

 

スーパーマン先生

えっ?最強ってそんな…ちょっと急にそんなもう…照れるじゃん…

 

そんなゴツい体でクネクネ照れないでください。例えば先生がやられて民衆がゾッド将軍の一味に立ち向かうけどあっさり吹き飛ばされる場面なんて、実に「ヒーローがいる世界」を描いていますよね。スパイダーマンのシリーズだとニューヨーク市民がヴィランに石とか投げて怯んだりするんですけど、個人的にはこっちの方がグッときました。

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息で民衆を吹き飛ばす極悪クリプトン人の皆さん。

 

スーパーマン先生

一般人は勇気を出して立ち向かうけど、スーパーパワーを持った者はそんなもの意にも介さないと。なるほど確かにリアルなのかもしれないね。となるとその……『スーパーマンⅢ 電子の要塞』(1983)でのぼくも「誠実」だったかな…?

 

やっぱりその話します???
いやね、噂には聞いてましたけど笑っちゃいましたよね、世の中が描くスーパーマン像と乖離しすぎてて。

 

スーパーマン先生

あぁぁ、ってことはあの時のぼくは……

 

安心してくださいよ。完全無欠のヒーローだからこそ一回のミスが命取りだし、ヤケクソで酒浸りになる可能性もゼロじゃない。それより何より、そこから再び正気に戻るくだりがアツいんじゃないですか!

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こんな顔するんすよ、スーパーマンって。

 

スーパーマン先生

ホントに!?よく褒めてくれたよ…あんまりいなくてさ、好評価の人…

 

あんだけ振り切ったら批判がくるのも仕方ないと思う。
でもまぁ、ぼくはそういう所も含めて好きですよ。人間臭さをあえて描くのも一つの誠実な姿勢だと思います。

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『冒険篇』の頃から人間臭さはありました。世界の危機そっちのけで銀ピカベッドでアチャチャするとか。

 

スーパーマン先生

なるほど……実に冷静だ…

 

『スーパーマンⅣ 最強の敵』(1987)では軍拡競争や誇大記事といった社会的なテーマを盛り込みながら、「現実にヒーローがいたら世界はどう変化するか」を描いていて、そちらも同様の誠実さを感じました。

 

スーパーマン先生

あれ、『最強の敵』だけえらくあっさりとすませてるじゃないか。

 

オーナーの娘とのロマンスみたいな話は要らん。

 

スーパーマン先生

うわぁ〜すーごいバッサリ言うじゃん

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一般人の新聞社勤めが生身で宇宙空間にいる衝撃映像です。

 

★さすが元祖ヒーロー★

さて、この辺で今回は終わりにしましょう!

 

スーパーマン先生

そうだね!MCUがノリにノッている今、ぼくの4部作を観るということに不安があったんだけど、思いの外楽しんでくれてぼくも嬉しいよ!

 

こちらこそ素晴らしい経験でした!
先程も言いましたが、「現実にスーパーマンがいると思わせる」ことも「現実にスーパーマンがいたらどうなるか」ということも全て、現代のアメコミ映画に通ずる基本中の基本。それすなわち『スーパーマン』シリーズに対するリスペクトが今でも連綿と受け継がれていることの証に他なりません!

 

スーパーマン先生

そんな……現代に至るまで、ぼくたちのスピリットが生きているなんて……うっ、うわぁぁぁぁぁん!!

 

ほらほら、ヒーローの元祖がそんな泣き虫じゃあ後輩たちに示しがつきませんよ。そのクシャクシャになった髪型も直してください。

 

スーパーマン先生

グスン……ごめんワキ君…よし、というわけで後編もよろしくね!

 

あっ…その、えーと…後編では別次元のスーパーマン先生にお越しいただくつもりといいますか…

 

スーパーマン先生

えっ…じゃあぼくは今日でお役御免…ふっ…ふぇぇぇぇぇぇん!!!!!

 

これは本当にごめん。