こんにちは!おそらく筋肉が付きづらいワキリントです。
ぼくのオカンが健康診断を受けたところ、「遺伝子的に筋肉が付きづらい」ということを言われたのが分かってから早くも4年ほど経過しようとしております。
そんなオカンと話し方から考え方、生き方に至るまで似ちゃってるもんだから、十中八九筋肉が付きづらい遺伝子を受け継いでいるんだろうなぁと思います。実際今年は「毎日10分筋トレ」を真面目に続けているにも関わらず、ちょぴっと上腕三頭筋がいい感じになったくらい。疑惑が確信に変わった1年でございました。
しかしぼくは諦めませんよ。どんなに長い道のりであっても続けます。そしていつか証明したい。「人は変われる」ということを。そんな強い意志をぼくは『ロッキー』シリーズから学びました。ということで今回も、人々に勇気と感動を与える『ロッキー』シリーズを学んでいこうと思います!
スーパーマン先生
いやぁワキ君、なかなかいい話をしてくれたね。なんだかぼく…泣けてきちゃって…
泣かせてやらないとキャラ的にどうかなと思いまして。
スーパーマン先生
あっそういう事務的なスピーチだったの?
人は変われる。そうでしょう?
★この頃、もうロッキーの虜になってました★
前回の終わりに駆け足で行った感想ですが、今回はその続きから始めたいと思います。レッツゴー!
5作目 『ロッキー5』
ボクサーの行き着く先、破滅へのルート、なんというかシルベスター・スタローンさんがこのシリーズ嫌いになっちゃったから作ったんかなってくらい、生々しくて闇を感じました。だからこそ現実味を帯びてます。
6作目 『ロッキー・ザ・ファイナル』
現代にアップデートされた『ロッキー』1作目といったところでしょうか。一つ違うのがロッキーは既にレジェンドとして世間に知られているというところ。おれもフィラデルフィアの階段上りたい。
スーパーマン先生
シリーズ全体を通してみると人によってだいぶ評価が分かれる2作品だけれど、ワキ君としてはどうなんだい?
逆にぼくは興味津々でしたね。こういうシリーズものというのは「如何に続けるか」ではなくて「如何に終わらせるか」の方が重要なんです。
それこそ『アベンジャーズ:エンドゲーム』のように、シリーズ初見の人が観るとポカン?となるような展開が続いてしまうと、途端に「閉じた」コミュニティのシリーズになってしまう。
ニッチなキャラが出るんですよ。
スーパーマン先生
「名前は知ってるけど観たことないあのシリーズ、今回で最後らしいよ」という層が一定数いるからこそ、そちらに向けて間口を広くとった上で風呂敷は畳まないといけない。ある意味一番難しいことかもしれないね。
そういう点で言うとちょっと残念でしたかねぇ『ロッキー・ザ・ファイナル』は。なんというか、タブーをやっちゃった気がして。
スーパーマン先生
タブー?どっちかって言うと『ロッキー5』の方がヤバくない?
まぁ、引退したボクサーがストリートファイトする話ですからまぁまぁタブーではあるんですけど、それって「ボクシングの」じゃないですか。ぼくが言いたいのは「『ロッキー』シリーズの」タブーなんですよね。
紋切り型にもほどがあるボクシング界の負の側面の皆さん。
スーパーマン先生
なるほど?具体的にはどんなところかな?
一つ目は終盤の試合になってから、急に画面がアメリカのテレビみたいなパッキパキの感じになっちゃったこと。ロッキーが実在するボクサーのような気にはなったんで、演出的には意図的なのかもしれませんが、ぼく個人としてはやっぱり「映画」としての品格が損なわれたような気がしてムムム…でした。
スーパーマン先生
ワキ君はテレビサイズの画面で観たからまだいいだろうけど、当時は大画面のスクリーンで上映されてるんだもんね、当たり前の話だけど。映画であってくれよ、っていう。
テレビ中継観てるみたいになっちゃった。
その通り。そして二つ目のタブーはロッキーに心の声を出させたこと。これまで幾度となく試合中にピンチを迎えてきたロッキーですが、心の声で己を鼓舞するような描写だけはしていませんでした。
スーパーマン先生
ミッキーやエイドリアン、アポロなどが立て続けに画面に映し出されたり、ラウンド間のインターバルの間に喋らせればロッキーが「誰のために」「何のために」打ちのめされても立ち上がり、ファイティングポーズを取るのかは分かるもんね。
その通り!『ファイナル』では少し疎遠になってしまった息子との関係性が掘り下げられますが、だからこそこの心の声が非常に勿体ない。
ボクサーとしてリングに帰ってきたのならば、そして父親であるならば、言葉でなく行動でセコンドの息子に示してほしかったなぁ。
スーパーマン先生
あ、そういえばワキ君は「父と息子」が絡むと大変なことになるんだった。今回はヤバい回になりそうです。
★『クリード』の功罪★
スーパーマン先生
さて、その後ロッキーの人生は『クリード』シリーズへと引き継がれていくわけだね。感想行ってみよう!
先生も世代が変わってますね。芸が細かいな。
7作目 『クリード』
まず何よりも「アポロの息子をロッキーが導いてあげよう」という発想がもう優勝でしょ。なんそれ。アツぅ。ファンへの目配せ(幻の3戦目)もちょうどいい塩梅です。
8作目 『クリード 炎の宿敵』
「因縁の相手・ドラゴの息子と戦わせよう」というのがこれまた発想の勝利。色々と要らんことやるけれど、まだ愛想つかすほどではないかなといった感じです。
スーパーマン先生
時にはリングの上で拳を交わし、時にはトレーナーとして自身を鍛えてくれた生涯の盟友・アポロ。その息子であるアドニスに、今度はロッキーがボクシングのイロハを叩き込む。永遠の師であるミッキーも重なって非常に気持ちのいい新章だよね。
時代からは逆行したトレーニングが映画映えするよなぁ。その辺もシリーズの選球眼の良さ。
『ファイナル』で一度は終わらせたシリーズですから、相応のアイデアと復活させる意義、世間が納得するような展開を作れる実力と自信がないと、なかなかできることじゃありません。
スーパーマン先生
『フルートベール駅で』『ブラックパンサー』を代表作に持つライアン・クーグラー監督が、自身の土俵であるブラックカルチャーにシリーズを持ち込んできたようにも思えるね。
まぁ所々でヒップホップがかかるくらいの事でブラックカルチャーかっていう疑問はありますけど、その辺は置いといて、『クリード』シリーズは『ロッキー』シリーズの延長として機能しているわけですから、当然そこにはいいことも悪いことも出てくるわけです。
スーパーマン先生
そうかな?アツいじゃない。これからが楽しみだけどな。
もちろんぼくも続編を楽しみにしています。うまいこと『ロッキー』シリーズの魅力を摂取しながら、独自のテイストを効かせて新たな広がりを観せてくれるのはもちろんのこと、ぼくは何よりアポロ・クリードという男のボクサー人生に広がりが生まれたような気がしてなりません。
スーパーマン先生
…つまり、どういうこと?
最強との呼び声も高いボクサーであるだけでなく、自ら興行のアイデアも出し、マイクパフォーマンスや入場演出も欠かさないのがアポロでした。
それが今回、ライアン・クーグラー監督の元で作られたシリーズを受けて彼に思いを馳せると、「アポロにはアポロなりの悩みや葛藤があったのか…」と思うようになりました。
スーパーマン先生
ビッグマウスな発言も、仰々しい入場も、昨今ほどの黒人差別への理解や協力がなかったであろう時代に生き残るため、もしくはうるさい白人至上主義者たちを黙らせるための必死のパフォーマンスだったのかもしれない…ということ?
悲しきピエロにも観えてくるのよ。
作中では一回も触れてないはずなんですけど、なんかそんなことを思っちゃったんですよねぇ。実際のところどうなのかは置いといて、「過去の作品に新たな観賞価値を見出す」という点において、『クリード』シリーズは素晴らしい功績を残したと思います。
スーパーマン先生
じゃあ、逆に『クリード』シリーズが始まったことによって起こった問題ってなんだろう?
明らかに「ロッキーが死ぬしかない」ことでしょう。『ファイナル』のまま終わらせておけば、世界中の人の記憶の中で「生きたまま」残り続けたはずなのに、新たなシリーズが始まってしまった。
スーパーマン先生
癌も見つかったり、息子との和解(また疎遠になっとったんかい)も済んだり、死亡フラグがバシバシ乱立してるよね。確かにロッキーを「死んだキャラ」として記憶させる可能性を孕んでいるのは不安要素かもしれない。
あんまり観たくないなぁ、ロッキーの衰弱した姿。
長年に渡ってロッキーは人々のヒーローであり続け、今もこうして一人の異国の地の青年を筋トレに目覚めさせるほど、影響を与え続けるアイコン的な人物です。ロッキーは生き続けなければならない。しかしロッキーがそうであったように、師と慕う人物との別れなくして、アドニスの成長は成しえません。
スーパーマン先生
この問題にどう折り合いをつけていくのか、今後も目が離せないシリーズだね。
最終ラウンドまで付き合いますよ。かかってきやがれ!
★『ロッキー』シリーズも『クリード』シリーズもアメコミ映画★
スーパーマン先生
最後の最後に思い出したかのようにアメコミ映画にするんじゃないよ。
熱く語りすぎて本校の存在意義を失うところでした。もう説明はいりませんね?『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』におけるスタカーですね?『ブラックパンサー』におけるキルモンガーですね?アメコミ映画以外の何ものでもないですよ。
スーパーマン先生
毎度毎度よくやるよ…
こんなことで呆れちゃいけませんよ。来週からは久々に純度100%のアメコミ映画について授業やります。
スーパーマン先生
そっ、そうか!そういえばそうだった!いやぁ…長かった…これまでのワキ君の辛さを思うと…ぼく…ぼく…うおぉぉぉぉぉぉ!!よく耐えた!よぐ耐えだぞぉワ゛ギぐぅぅぅん゛!!!!
本当はぼくも泣きたいけどそんなに泣かれたら涙引っ込んだわ。
「上映してくださってありがとうございまぁぁぁぁす!!!」