こんにちは!先週に引き続きウィル・スミスさんを全力で擁護しているワキリントです。
しかし雲行きが若干怪しくなってきましたねぇ。公衆の面前で暴力振るうとか、Fワード言うとかの方があっちじゃよっぽどギルティなんでしょうか。
アカデミーから退会した(そんなLINEみたいなもんなんや、と思った)というニュースも入ってますが、「こっちから願い下げじゃ!」みたいなウィルさんの堂々たる絶縁宣言であることを願っています。
そんなことはさておき、今週は『モービウス』の復習と参りましょう!
うん、割と楽しめました。それじゃあレッツゴー!!
★あらすじとキャラクター★
主人公は天才医師のマイケル・モービウスさん。どっかでサイコなピエロをやってたような気もしますが、まぁ忘れていいです(二度と復帰しないと思うんで)。
あっ間違えた
人工血液の研究でノーベル賞までゲットしちゃう天才っぷりでその名を知らぬ者をいませんが、彼が人生を捧げて研究しているのが、幼い頃から自身を蝕んでいる血液系の難病。
腕のいい助手のマルティーヌさんとプラトニックで良好な関係を築きながら、同じ難病に苦しむ患者を救うために奮闘しています!
めっちゃ中村アンさんに似てました。
幼い頃に命を救い、それ以来強い絆で結ばれているマイロさんの支援を受け、今回マイケルさんが挑む実験は、コウモリの血清を投与するというだいぶアウトなもの。
あぁ〜良くないよ。これは良くない。最近現実世界で豚の心臓を移植して2ヶ月生きた方もいましたが、大体コミックスの世界で綿密な事前準備もせずに他生物の遺伝子をヒトゲノムにくっつけようとしたらヤバい事態になるに決まってます。
ほら〜言ったやんか〜、超人的な身体能力を手に入れる代わりに血への渇望が止まらなくなってしまう怪人になっちゃったやんか〜。
人工血液でなんとか殺人だけは避けようとするものの一時しのぎ。理性を失う怪物へと完全に変貌してしまうタイムリミットが迫る中、体内の血液を完全に抜かれる殺人事件が相次いで発生します……!
無実の罪で追われるマイケルさん!追いはするけどそれほど必死こいてはないFBIのストラウドさん!果たしてマイケルさんは人としての良心を見失わずにいられるのか!!
画像見つけたけどこんなシーンあったっけ?他の出演作のかも。それくらい印象ないです。
超人過ぎてFBIが完全に要らないことを除けば最小人数で進む、SONYが放つ新たな不良(ヴィラン)主役のアメコミ映画!!面白かったり面白くなかったりするぞ!!
★見どころ★
続いては見どころです!
SONY制作のアメコミ映画といえば、ぼくがオールタイム・ワーストにブチ込んで憚らない『ヴェノム』(2018)シリーズが記憶に新しいですが、その理由が「不良のくせにヒーロー面してやがる」ところ。
なーにが「リーサル・プロテクターだ!」やねんと。「おれが大暴れするのにお前が邪魔やからとりあえずブチのめす」くらいのワルなりの気概を見せろよ、ってな具合ですね。
そういった「不良らしさ」でいえば、マイケルさんは超人的な能力を得る前からモラルの外にいることが仄めかされます。そこがグッドでした!
幼い頃から施設で終わることの無い治療を受け、ひとたび外に出ればいじめを受ける。そんなマイケルさんが怪人化してしまったことを誰も責められません。なぜならそもそも社会こそが、彼らをモラルの内側に入れることを拒否してしまったわけですから。
そして怪人モービウス君の抑えきれぬ血への衝動は、拡大解釈すれば人間が他の生物の命を喰らい、己の糧にしている、いわば「生命の営み」です。
倫理的にマズいけど結果オーライで人の命が救える「医学の功罪」や「化学の功罪」、そして前述の「人類の功罪」と大きく広がっていくテーマの妙に膝を打ちました!
それを更に魅力的に観せていたのが今作の敵となったマイロさん!まさに光と影といいますか、手に入れた能力でどこまでできるのか、何ができるのかを冷静に観測しているマイケルさんとは打って変わって、アホ丸出しのダサダンスを踊ってしまうはっちゃけぶり!
はっちゃけすぎて高いとこから街見下ろしたりします。
「人並みに生きる」ということがどれだけ幸せで見過ごされているかを体現しているかのようでした。これもまた、「人類の功罪」の一つなのかな、と思ったり。
★こういうのがあったっていい★
さて、以上で復習は終わりです!個人的な総括といたしましては、今作は「凡作」でした!怒ってもいいよ!全てを受け入れてそれでもぼくは前に進んでいく!
先週行った予習で私ワキリント、アメコミ映画を観まくった経験に裏打ちされた「こういう展開になるやろ」予想をしたんですが、その結果マジで自分でも感心するくらいの的中率を弾き出しました。
ニコラスさんとかバチあたりしててウケます。
なのでまだ観ていないという方は一旦予習回を覗いてみることをオススメします。そっから観たら多分ウケるんで。
今作は非常にコミックスに忠実だそうで、モービウス君の見た目やその描き方など、原作ファンからすると満足度の高い作品だったみたいです!原作でも真っ暗で何してるか分かんないとこでアクションとかしたんですかね?教えて詳しい人!!
って、さっきから他人事みたいに言ってますが、仕方ないっすよね。こちとらコミックスは事前情報としてチャチャッとあらすじを調べる程度。
アメコミの特殊な世界観を踏まえて、「なるほど、映画ではこういう感じになるんだ」という風に、あくまで原作に忠実である必要はない!というスタンスで観ているぼくにとってみれば、ご丁寧に原作を踏まえたところで「で?「今」やるべき意義とは?」となるだけです。
予想通りのことがそのまま起き、大きなサプライズもなければ社会的に攻めているわけでもない今作の評価が「凡作」になることは必然です。まぁ、真逆のことやってる映画にも「凡作」があるんでしょうから映画っつーもんは一筋縄じゃあいきまへん。難儀な芸術やで。
しかし、です。たとえばぼくの大好きな『ゴーストライダー』(2007)が今の世にそのままの形でポン、と公開された時、ぼくは果たして当時のような興奮を覚えただろうか…と、こう思いを馳せるわけでございます。おそらく「あるあるの展開、お馴染みの悩みをなぞるだけの凡作」と断じたことでしょう。
つまり今作『モービウス』は、「世に出るのが遅すぎた快作」、あるいは「今作られる必要がほぼない凡作」と言えます。質の高いアメコミ映画がこの世には増えすぎちまったよ。
SONY的にはこれから更に似たような不良たちの凡作を世に解き放ち、満を持してスパイダーマン君を苦しめる不良のチーム、シニスターシックスを結成させるつもりなんでしょうが…
その展開まで読めてるこちらからすれば、とぼけた顔して全然練ってない作品を公開しているSONYには「しらこいねん、お前」と思わずディスっちゃいますし、「1作目でアベンジャーズやるって宣言したマーベル・スタジオ見習え」とダルいオタクみたいなこと言っちゃいます。
SONYに権利さえなければ、現代版にブラッシュアップされた『モービウス』が観られたと思うと残念ですが、古き良き頭空っぽで観れるシュッとしててカッケー、それでいてちょっぴりくだらねーアメコミ映画の原体験を思い起こさせてくれて、ちょっとホッコリしました。
お堅いもんばっかりじゃあ人間分厚くなりません。道徳を身につけたいなら乳幼児から六法全書読ませりゃいいんすから、極論。絵本から学べることもそりゃあろうて。ごんぎつねなめんなよ。
今作がヤバかったらSONY制作のアメコミ映画と絶縁宣言するつもりでしたが、オトナになってもう少し付き合ってみたいと思います。
ですが、まぁ…皆さんは無理して観るもんではないかも!好きなもん観よう!それでは!!