私立アメコミ高校

アメコミに関する様々な授業をしていきます

【天文学⑥】ソー先生と学ぶ『男はつらいよ』

ソー先生

やあ皆、久しぶりだな。日本の有名シリーズを制覇しつつ、それらがなぜ国民に浸透するようになったのか、映画としての美点はどこかを探っていく天文学の授業、今回は不動の一大シリーズ男はつらいよを学んでいこう。……と、言いたいところなんだが、一緒に学んでいくワキリント君の姿が見えないな……一体どこへ…

 

ガタンゴトン…ガタンゴトン…プシューッ!

 

ソー先生

お、ワキ君!どこ行ってたんだよ!待ってたぞ!

 

桜が…咲いております。

 

ソー先生

えっ?

 

懐かしい葛飾の桜が今年も咲いております……

 

ソー先生

あっもうすんごい影響されてんだ

 

★長旅になるよ〜★

ゴロゴロゴロゴロ……ピシャーーーン!!

 

わばばばばばばばばば!!ビリビリビリビリシビレビレビレ!!!
ちょっ!何するんですか人が気持ちよくフーテンしてたってのに!

 

ソー先生

作品世界に浸るのはその辺にしとくんだワキ君。浸るのが長すぎたのか、それとも授業するのが億劫だったのか知らないが、もうとっくに桜は散り始めてるぞ。なっさけない。

 

まぁ4月にやれてるだけ良しとしてくださいよ。
さて、今シリーズは気ままな旅烏の寅さんこと車寅次郎さんと、故郷・葛飾区柴又で彼の帰りを待つ人々との交流を描いたホームドラマ、ホームコメディでございます。ドラマとして始まり、寅さんがハブに噛まれて亡くなるという衝撃の最終回に抗議が殺到。その末に生まれたのがこの映画シリーズだそうです。

 

ソー先生

キャラクターもさることながら経緯も破天荒だな。だが、それだけ愛されたシリーズということなんだろう。
で、何作品あるんだ?前回の『釣りバカ日誌』シリーズは20作品だったけど。

 

50作品です。

 

ソー先生

……は?

 

50作品です。嘘じゃないです。

 

ソー先生

……長きに渡って愛されすぎじゃないか?

 

いや、本当にビビりました。TSUTAYAの棚の一列使いきるんちゃうかってほどの作品数。1年で全部観るとなると他の作品に手がつけられませんし、何より一つ一つの余韻ってもんがありません。じっくりと10作ずつ、取り上げていければいいなと思っております。

 

ソー先生

しかしそうなってくると、年1ペースでやっている私の授業は……

 

今後5年は『男はつらいよ』ですね。

 

ソー先生

なっがぁ……

 

授業も長いので目次を作りました↓

 

 

★怒濤の10作連続レビュー★

さて、それでは早速10作目までの感想を観ていきましょう!

 

ソー先生

ウジウジしててもしょうがないんでやっていくか!ドンと来い!

 

一作目 男はつらいよ

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さくらさんを嫁に出すやつ。
ちゃんと寅さん=渥美清さんの声を聴いたのが初めてだったのでいい声〜となりました。寅さんのイメージが付いちゃってるからか、下町人情の権化みたいな声でやんすね。あとシンプルに「ワタクシ、生まれも育ちも…」のやつ聴けて感無量。寅さんや〜となりました。スイカの名産地〜!

 


二作目 続 男はつらいよ

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お母さんを探すやつ。
安易にメロドラマにしない気概を感じました。そこから更にもう一捻りしてくる優しいラスト。嫌いじゃないですこういうの。
マドンナのためにめちゃくちゃ頑張る寅さんが愛すべきバカすぎる。先生との交流もいいですね。さくらに子供ができました。

 


三作目 男はつらいよ フーテンの寅

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旅館で番頭するやつ。
この辺から育ててくれた叔父夫婦に恩返ししたいやつになってくる。単に口が悪かったのが実は照れ隠しでした、にシフトできる上手いやり口ですね。


四作目 新 男はつらいよ

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ハワイ旅行に行けないやつ。
人情モノと思ったけど意外とみんな薄情なんですよね〜、さくらさんだけは泣いてくれた。でもどうなんでしょう、叔父夫婦のためとやっていることは結局自分のメンツのためなのかもしれない。心優しい三枚目と単なる見栄っ張り、そのグレーゾーンを突くのがうめぇ。


五作目 男はつらいよ 望郷篇

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豆腐屋で働くやつ。
初めて「地道に働く」というムーブをとります。四作目の「競馬で大穴の馬に拝み倒す」よりは現実的で地に足の着いた生活をするけれど、何か逃れようのないものの力でそういう世界から弾き飛ばされたような印象を受けました。どれだけ人並みの生活、人生を思い描いて汗水流しても、一旦横道に入ったが最後、戻れねぇのがヤクザもん。ということなんでしょうか。「そこが渡世人のつれェところよ」が沁みる回でした。あといい加減に社長のデリカシーのなさをどうにかした方がいい。さすがに笑えんくなってきた。

 


六作目 男はつらいよ 純情篇

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前田吟こと博さんの独立をややこしくするやつ。
なんというか…これといって特筆すべきことがない。人生初の若尾文子が拝めたことくらいかなぁ。けど若尾文子さん周りの話が弱くて弱くて。勿体なさすら感じましたね。そんなことなら独立話がもっともっとてんやわんやになって大騒ぎとか、序盤のDV旦那から逃げてきた奥さんをもっと掘り下げて観たかった気持ちの方が大きい。


七作目 男はつらいよ 奮闘篇

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結婚しかけるやつ。
「奮闘篇」というサブタイトルがピッタリの、まさに寅さんが奮闘した話でございました。今で言う発達障害(「頭が薄い」と言われていた)の女性が今回のマドンナで、警官と協力して故郷に帰してあげたり、柴又で仕事を見繕ってあげたり、寅さんの一度世話を焼くと最後までやり遂げたくなっちゃう性分が存分に発揮されておりました。


八作目 男はつらいよ 寅次郎恋歌

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博さんのお母さんが亡くなるやつ。
1作目みたいにさくらさんが不憫になるくらい親戚付き合いにおける寅さんが非常識で心臓に悪いです。その癖独り身になった博さんの親父さんと一緒に暮らしてやったりする優しさはあるのよね。親父さんも邪険に扱ってないっぽかったし。竜胆のくだりもよかった。「人は一人では生きていけない」昔同じようなことを言われた身としてはグサグサ刺さりましたわ。
それにしても満男が歩けるようになって本当に可愛いし、親戚連中が寅さんの扱いを心得てきたのもおもろい。社長も段々と弁えるようになってきたし。


九作目 男はつらいよ 柴又慕情

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さくらさん夫婦が家を建てようとするやつ。
希望に満ちてやる気満々かと思ったら家賃の値上がりだのなんだの言っていて、もしかしてバブル崩壊したあたり?早くない?と思っている今日この頃です。何にせよいつ帰ってくるか分からないのに空き部屋を貸したら怒るし、知り得ないところで厄介事を持ち込んでくる寅さんは生粋のトラブルメーカーですねぇ。柴又に帰ってマドンナがいない時に限ってトラブルばかり起きてしまう。普通に暮らせないのかしら。
久々に舎弟の登くんが登場。今回テキ屋成分が少なかったように感じたので、申し訳程度のお控えなすって感を入れたかったんでしょうね。最初の方は少し期待していたんだけれども、そこまで掘り下げがないもんでちょっと残念かなぁ。

 

 

十作目 男はつらいよ 寅次郎夢枕

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みんなが寅さんの縁談に奔走してくれるやつ。
今回は十作目の大台にしてすごい変化球を投げてきました。マドンナの方が寅さんに片想い(?)しているというね。いやぁこの記念作とはいえこの展開を持ってくるとは思わなんだ。三角関係という構図にし、いつもの寅さん役をインテリ教授に任せることでコミカルさを担保しつつ、「人が人を愛すること」に学歴など関係ないことを示していて良いですね〜となりました。実際に所帯を持っている男連中は口々にバカにしていたけれど、おれは寅さんや教授の肩を持ちたいな。そして肝心の寅さんはどうかというと、教授がマドンナに惚れていることをいち早く見抜いてなんとかくっつけようとするんだけれども、これまたいつもの思い込み。実は自分のことが好きでしたと分かるとへたれこんで頭真っ白といった感じでした。まさに「男はつらいよ」なエピソードだったと思います。

 

ソー先生

ボリュームがエグいな。よくぞこれほどまでの感想を書き溜めていたもんだ。

 

削ってこの量ですからね。皆さんついてこれてます?これからは削った部分、シリーズ共通のキャラクターについて話していきますけれども。

 

ソー先生

ちょっと待って、お茶飲んで一息つきたい

 

そうですよね、ささっ皆さんもどうぞ、ほらお団子です。

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マジのとらやのやつを食べてきました。

 

★旅烏と故郷★

さて、ここからはキャラクターについてのお話ということでやっていきましょう。まずはなんといっても主人公の車寅次郎さんですね。

 

ソー先生

主役だから作品ごとに印象も様々だろう。一作目はどうだった?

 

正直、寅さんという男を誤解してました。あそこまでどうしようもないバカで空気の読めない頑固野郎とは思ってなかったので、「あ、おれこのシリーズ大丈夫かな」と思っちゃいました。

 

ソー先生

幸先が不安すぎる。ただそこから10作は観ることができたんだろう?心境の変化などはあったかい?

 

四作目『新 男はつらいよ』の時点で、もう寅さん側の人間になってしまっている自分に気づきましたね。
基本的に寅さんは「なんだか憎めないやつ」のポジションなんですね。そいつが故郷の柴又でそれはまぁ多種多様なトラブルを起こすんでございますが、その出発点って迷惑かけた叔父夫婦への恩返しとか、妹のさくらさんが誇れる兄でいたいっていうものなんですね。

 

ソー先生

なるほどそれは…二作目でも「愛すべきバカ」と表現していたが、喜劇や人情ものということも相まって、寅さんは観る人に受け入れられたのかもしれないな。

 

寅さんの人間味は深まる一方でして、六作目では「人情なんて古い」なんて言葉を放つんです。

 

ソー先生

なんだって!?人情の擬人化みたいな人間だと思ったがなぁ。意外や意外だ。

 

結局社長の身の上話に絆されて人情に傾くところも含めてホッと胸を撫で下ろしたんですけどね。他にも川での宴会ハブられて食欲無くす寅さんが印象的でした。労働者諸君!とか、タコ社長とか、印刷工場の人間は割と雑に扱っとると思ってたんですけど、意外と親近感を抱いていたのかしら。

 

ソー先生

簡単に傷つくガラスのハートなんだよな。喜劇と悲劇は裏表、脆さや繊細さを寅さんのような風体の人間が出すと印象も変わるよな。

 

そんな寅さんの最大の人間味で、シリーズを動かす原動力とも言えるのが「思い込みが激しい」というところなんですが、十作目では悪い方に出ていました。
御前様の言葉「人は褒めあって生きていくべし」に感化されて、寅さんのために親戚連中から普段は小競り合いをしている社長まで相手を見繕ってやろうと必死に頑張ったのに、それを「自分をダシにして娯楽にしようとしてる」なんて言うもんだから言われた方は怒り心頭っていう。

 

ソー先生

所々で救いようのないアウトな発言をするのも世界に生きる人間という感じがするな。

 

続いて柴又の人々ですね。なんといっても妹のさくらさんが聖母すぎる。
「おれがいたんじゃお嫁にゃ行けぬ」という言葉に表されている通り、寅さんは基本的に「隠しておきたい存在」なんですね。がしかしこの女性は縁切られてもこのおかしくない男を凄く慕っています。

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ソー先生

さくらさんの優しさがひいては作品の優しさ、世界の優しさにもなっていて、寅さんも彼女の怒りや悲しみに敏感だよな。なんなら寅さんよりもシリーズに必要な人物とも言えるじゃないかな。

 

続いて叔父夫婦の二人ですね。「知らねぇよおれァ」「バカだねぇあいつァ」などもさることながら、「お前さえいなきゃ幸せだ!」のような、観る人も心の中で想っていたけどグッと堪えていた言葉を寅さんに向かって吐ける唯一の人間なのがおじさんです。

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ソー先生

さくらさんは寅さんのことを思いやるが故に言いたいことを堪える節があるからな。

 

そのせいで多少要らんことを言ってしまう、火に油を注いでしまう人間として描写されているけれども、逆に言えば自分の気持ちを隠さず、素直に寅さんと向き合っている、稀有な存在なわけでございます。

 

ソー先生

なるほどな。では、おばさんはどうだ?

 

いかにも昔の女性、という感じですよね。晩酌しているシーンが何度も出てくるんですが、大体おつまみ作ったり、お酒取り替えたりしてるんですよ。で感謝もされないっていう。人物的にも掘り下げられていないし、ステレオタイプな印象を受けました。

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ソー先生

今後どういう風に描かれるか、注意してチェックしていきたいな。

 

続いて舎弟の登くん。彼は非常にオイシい役どころだなと思っています。というのも、「カタギになった元ヤクザもん」というのはひいては寅さんのイフなんですよ。

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ソー先生

四作目では騙されて(というか人を信じる、仁義を信じすぎるというヤクザもんの性のために)トラブルを呼び込んでしまったよな。カタギの世界に寅さんが入った際、陥ってしまう困難を示しているような気もする。

 

デリカシーのないタコ社長や、彼の元で働くさくらさんの夫の博さんは真面目に働く労働者として寅さんとの対比ですよね。

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ソー先生

汗水流して働いても事業はギリギリ、思うようにものも買えないとあれば、寅さんのようなその日暮らしと何が違うんだろう、そんな思いまでよぎってしまうな。

 

楽しみなのはさくらさん夫婦の間に生まれた満男くん!これが吉岡秀隆になるんですよね?ハイハイからよちよち歩き、バブバブなど成長が愛らしくて仕方ない。早く育て!

 

ソー先生

成長した満男くんと寅さんの交流が楽しみだよな。八作目では塞ぎ込んだ子供に友情をもたらしたように、寅さんは子供ウケが凄くいい。「近所にいる、ちょっと悪いこと教えてくれるお兄さん」って、ちびっ子にとっては冒険の入口で魅力なんだよな。

 

役者さんでいうと、名優と呼ばれる方々が出演しているのを観れるのは貴重な経験でした。御前様役の笠智衆さんが、笠智 衆とは思ってなかったので。ずっと笠 智衆だと思ってました。

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ソー先生

他にも若尾文子さんや若き日の吉永小百合さんなんかも、ワキ君にとっては貴重だったんじゃないか?

 

そうなんですよ!キャストのところに(大映)とか付いてて、「あ、これが昔の日本映画の感じかぁ〜」となりましたし、吉永さんはBRAVIA女優以外の印象がなかったので嬉しかったです。

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ソー先生

SHARPのせいで酷い言われ様だな

 

テキ屋と人並みの幸せ★

さて、ここからはシリーズを支える二つの要素、「ヤクザもんの業」と「マドンナとの恋愛」についてお話していきましょう。

 

ソー先生

おいワキ君…ちょっと長すぎやしないか?だから1ヶ月もかかるんだよ。

 

そんなこと言われたって分けるのも変な感じでしょう?気にせず行きますよ。
三作目に登場した言葉を話せない元テキ屋の老人や、五作目の札幌の親分とその息子との交流で描かれるのが「ヤクザもんの業」です。生々しくてシビレました。家族で観に行くような作品でこれを描くか、という。

 

ソー先生

主人公として良い奴のように描いてはいるが、結局寅さんも「そっち側」なんだよな。
好き勝手に生き、義理人情を笠にして価値観を周りに押し付けているだけなのかもしれない。愛すべきではないが愛してしまう。つくづくこのシリーズ、この男の異質さに驚くよ。

 

時折その業はマドンナとの恋愛にも影響してきます。
七作目のマドンナは今で言うと発達障害にあたる方のように見えたのですが、珍しく彼女の方が寅さんを慕うという展開になります。片やテキ屋のその日暮らし、片や一人では切符も買えない、そんな二人が一緒になって待ち受けるのは、果たして幸せなんでしょうか?という問いを投げかけてきますね。

 

ソー先生

普通の女性でも連れ添って生きるのは大変な男だからな。二作目ぶりの生みの親も現れて「お前みたいなもんを好いてくれる優しい子ならどんな子だって大歓迎」をぶつけてくるのがとんでもない皮肉だよな。意地が悪い…

 

八作目では初めて連れ子がいる女性がマドンナになりました。
寅さんみたいなテキ屋だけじゃなく、喫茶店を営まマドンナのように、不安定なお金の稼ぎ方がたくさん描かれたなと思いました。悪い奴に騙されてお金に困ったりとか。

 

ソー先生

命張ってマドンナを救おうとする姿が印象的だったな。が、しかし初めて自ら諦めたよなぁ。自分じゃマドンナを幸せにできない、不幸から救い出せないということを悟ったんだろうか。

 

一作目や九作目の吉永さんのマドンナのように、基本的には寅さんがベタ惚れしてこっぴどくフラれるパターンなので、その中に挟まれるこういうタイプの失恋が非常に刺さります。

 

★旅は続く★

ソー先生

さぁ…これで今日の授業は終わりだな。とりあえず10作観たわけだが、どうだった?

 

 

そりゃ50作品も続くわな、という印象です。
別に伏線を張っているわけでも、登場人物に謎があるわけでもない。一作ごとに現れるゲストとしてのマドンナと寅さんの交流が描かれ、別れと旅立ちが描かれるザッツオール。要するにいくらでも冒険できる筋書きなんですね。

 

ソー先生

今でこそ主流になってしまっている伏線だけれども、シリーズものにおけるそれは「回収し始めたらシリーズ終盤」のフラグでもある。このシリーズはそれがない、というか、監督や脚本もそこまで意識してないんだろうな。

 

どれだけしっちゃかめっちゃかしても続編に一切の支障がないという、ある意味どのシリーズものよりも磐石な安定感を放っているなと思いました。

 

ソー先生

予定調和に関してはどうだった?

 

釣りバカに比べて予定調和感がやや強かったように感じました。
マドンナや親戚との喧嘩、序盤のトラブルなんかは要素そのものがお話の中で大きな取り上げられ方をされている。その分偶然と言うにはやや無理があるようなところでも社長はデリカシーなく振られ話をしてくるんですよね。
ただ面白いのはそこから行動を起こすのが車寅次郎であるというところ。笑い、泣き、怒り、賽の目のように次に何が出てくるか分からない男の反応によって周りも動かざるをえないので、毎回違う流れを観せられている気になりますね。

 

ソー先生

確かに、何度も繰り返されている展開なのに、逆に楽しみにしているような感じがあったかもしれない。そりゃ50作品も続くわ、となる気持ちも分かる気がする。

 

これからしばらく続いていく『男はつらいよ』の授業ですが、皆さんも末永くよろしくお願いします!

 

ソー先生

キャラクターも紹介できたし、次回からはボリュームもスッキリになるかもな。

 

いや!どうだろうなァ!そうは問屋がおろさねぇかもしんないよ?まぁでも、たとえそうなったとしてもアレだな、読者諸君にはどうかおおらかな心で読んでほしいってなぁってことよ!

 

ソー先生

急に寅さん口調が舞い戻ってきたな…

 

みんな、授業どうだった?え?満足?そうかァ!ハハハハハ!そうかそうかァ!結構結構!結構毛だらけ猫灰だらけ、ケツの周りはクソだらけ、ってか!ハハハハハ!

 

ソー先生

多分これ言いたかっただけなんだと思う。

 

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では、旅に出ます。