こんにちは!「〇〇の秋」という言葉を信じていないワキリントです。
食欲、スポーツ、芸術…秋にそういう冠をつけて活動的になろうなんてまやかし、一般人には通じてもぼくには通じねぇ。ナメるな。
だいたい「〇〇の秋」に付く全ての単語は春夏秋冬どの季節でもやれるはずなんだ。食なんてホモ・サピエンスの三大欲求なんだから。メシを食わそうなどという資本主義の腐った理念、神の見えざる手などに惑わされるんじゃない。己の意志はどこへ行った。
というわけで本日は最怖ダークヒーローが大活躍する『ヘルボーイ』を復習したいと思います。
アメコミの秋。ほら秋じゃなくてもいいでしょ。
★あらすじとキャラクター★
忙しさのせいで遠い昔に観たような気がしますが、記憶を頼りにあらすじとキャラクターを紹介していきましょうね。
本作の主人公は、いかつい風貌とは裏腹にチャーミングな性格が魅力のヘルボーイ先輩!
前回の予習をしてから気づいたのですが、ヘルボーイ先輩の写真がほぼ角がついてるものになっておりました。いつもは「日常生活がやりづらい」との理由で削り取っている角が、アリのバージョンでばかり紹介して拍子抜けになってしまった皆さんもいらっしゃるかもしれません。
謝罪の秋。
彼の前に立ちはだかるのは化け物退治のプロでお馴染み、ミラ・ジョボ・ビッチさんが扮する歴史上最凶最悪の魔女ニムエさん。
その昔、生きたまま人類に体をバラバラにされ、ヨーロッパの各地に厳重に隠されたニムエさんですが、ヘルボーイ先輩に恨みを抱えるクリーチャーが彼女の力で先輩に復讐しようと復活を画策。
体を集める健気なクリーチャーを「はよう持ってきておくれやす」とこき使うニムエさん。感謝くらいしなさいよ。
高飛車の秋。
彼女の力は実に強大。先輩一人では太刀打ちできないと踏んだ組織-B.P.R.D.-は、彼に頼もしい仲間をつけました。
一人はその昔、妖精に攫われた経験以降、死者の魂を「とある方法」で現世に蘇らせることができるアリスさん。
攫われた際に先輩が助けてくれた縁もあって、命を賭した戦いにも臆することなく同行します。
献身の秋。
そんな彼女とは対照的に、ヘルボーイ先輩に対して非協力的なのがベン・ダイミョウさん。
過去にジャガー男(こういうのがフツーにいる世界なんで気にしたら負けです)を討伐しようとして部隊を全滅させてしまったせいか、誰にも頼ることなく任務を遂行させることにこだわるようになったダイミョウさんは、味方陣営とはいえ先輩と肩を並べることに不満がある様子。仲良くなりなよ。
個人的に、悪魔である先輩に対して差別的な視線を送るこのキャラクターがアジア系の人であることに、ヒエラルキー的なものを感じました。悲しいな。なくなればいいな、差別。
世界平和の秋。
★見どころ★
さて前回の予習でぼくがホラー苦手だということはお話ししましたよね?しましたよね?え?覚えていない?じゃあ読んでもらうしかないなぁ(秘技・アクセス数乞食)。
R指定がついたおかげでグロとバイオレンスに磨きのかかった描写には正直まいりました!!!
一目見ただけで「骨までしゃぶり取られた後ゴミみたいに捨てられそう」と死を悟るやべークリーチャーの数々と、そいつらがいとも簡単に人類を刺し貫いたり食いちぎったり破いたり(!?)。もう笑っちゃいました。「あ、人ってこんな簡単に死ねるんだな」って。
高校時代、同じ部活の同級生が「晩飯前に『ソウ』を観たら「食欲って何?」ってなったわ」という話を500回くらい話していた気持ちがわかりました。
東京の不衛生な店に行こうものなら臭いで吐きそうになるので耐性の無い方は何かしら食べてから観た方がいいかもしれません。気持ち悪くなって吐いても知らん。
嘔吐の秋。
そんなグログロ映画におけるノイズになるかもしれなかった、ヘルボーイ先輩と育ての親であるブルーム教授との擬似親子愛がちょうどよく配置されているのも素晴らしかったです。
本校でも何回かお話ししましたが、「父と息子」の話が出るだけで涙腺が緩み評価が上がるという弱点を持っているワタクシ。そんなワタクシが思わず「そんなんええから早よ血を見せろや、血を」というイカれた感想が出てきてしまったほど、心優しく平和を望む人間を血に飢えた獣に変えてしまう魔力のようなものが本作にはありますね。
人間性喪失の秋。
★ブッ飛んでるからこそ受け入れられる地獄★
さて以上で復習はおしまいです!
本校で取り上げているのは全てアメコミ映画。つまりSFでありファンタジーなんですよね。おかげでどんな突飛な世界観も受け入れられてしまいます。
本作の「地獄生まれ地上育ちのバケモノ退治ヒーロー」なんてその最たるもの。それに加えて本作ではヘルボーイ先輩の出自に独自の解釈が盛り込まれ、たった一人でキャラの渋滞が起こっています。それすらも受け入れさせるパワーが本作にはありましたし、逆にこのテストでない限り、こんなことは不可能だったでしょう。
まあ要するにアレですよね。最近のアメコミ映画はお行儀が良すぎた。社会に警鐘を鳴らしすぎ。それを証明しただけでも本作が昨今のアメコミ映画ブームに名乗り出た意義があると思います。これくらい地獄みたいにクッチャクチャの映画が良かったりするんですよ。
エンターテインメントに全振りしたバカの作った映画、おれァ大好きだ!!!
地獄の秋。これは今年しか味わえませんよ。
やっぱりヒーローだよなァ。